(20日、横浜F・マリノス2―1FC町田ゼルビア)

 先取点を決めた2分後のプレーに、横浜マの変化が表れていた。

 町田がカウンターを仕掛けた前半35分、FWアンデルソンロペスが全力疾走で自陣左サイドまで戻った。相手にプレッシャーをかけ、ミスを誘い、ボールを奪い返した。「守備でも高い強度で戦うのがマリノス。チームに貢献したい一心だった」

  • 「幻影」を追い続けたマリノス キューウェル監督解任で迫られる変化

 成績不振の責任を問われ、16日にキューウェル監督の解任が発表された。

 ヘッドコーチから昇格して、暫定的に指揮を執ることになったハッチンソン監督が、立て直しの鍵に挙げたのが「プレス」だ。

 「どれだけ素早く相手から球を奪い返し、攻撃に移れるかが大事」

 先発は前節から1人しか変わらなかったが、意識の変化で、選手一人一人のプレーが改善した。

 原点に戻るための細かな修正もほどこした。

 守備的MFを1人から昨季までのベースだった2人に戻した。ワンタッチでのプレーを増やし、球回しのテンポが良くなった。パス交換しながらサイドを変え、左DF加藤蓮のクロスをMF天野純が合わせた2点目は横浜マらしさが詰まったゴール。前節までの5試合で1失点だった首位の町田から2得点を挙げて破った。

 FW宮市亮は「このサッカーをしていけば負けることはない」。自信を取り戻し、11位からの巻き返しを誓った。(岩佐友)

 ハッチンソン監督(マ) 「大変な時期を乗り越えなければいけなかったが、選手たちは最後まで戦う姿勢を持ち続けてくれた。結果が出て良かった」

 黒田監督(町) 「前半、受け身になってしまったのは反省点。今日の試合をいい教訓にし、再構築するつもりで中断期間を過ごしたい」

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