(21日、第106回全国高校野球選手権岩手大会準々決勝、花巻北4―7盛岡大付)
1点を先制された直後の一回裏。1死二塁の好機で、花巻北の3番打者、高橋愛叶夢(あとむ)選手(3年)が打席に立った。
二塁走者は小学校から同じ野球チームで一緒にプレーしてきた照井悠人主将(3年)。「つないで、こいつをかえす」
「打線」を意識して、甘く入ってきた直球を振り抜くと、右中間をやぶり、同点に追いつく三塁打に。5番打者の中前打で、自身も生還して逆転。ベンチの仲間とハイタッチして喜んだ。
チームは勢いづき、ひっくり返されても、三回に再び逆転。八回に勝ち越されたが、強豪相手に10安打を放ち、好ゲームを見せた。
昨秋の県大会は1回戦を4―14で大敗した。悔しさを抱え、冬場はチーム一丸となって筋トレに励んだ。「試合中はいろんな不安や重圧が襲ってくる。それをみんなで一緒に乗り越える力がついた」
夏の大会ではシードの盛岡誠桜も破り、29年ぶりの8強入りを果たした。「あいつ(照井主将)をかえせたのは最高の思い出。強い相手に立ち向かっていくことができた。今日は勝てなかったけれど、最後まで自分たちの野球を思い切ってやることができた」。試合後、さわやかな笑顔を見せた。(藤井怜)
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