(23日、第106回全国高校野球選手権愛媛大会3回戦 大洲1―2松山商)
松山商が大洲の左腕エースに抑え込まれながらも、スリーバントスクイズで競り勝った。
松山商は敵失で同点に追いついた七回裏1死二、三塁、弓達瑛心(ゆだてえいしん)選手(3年)が1ストライク後の2球目をスクイズしたがファウル。2球ボールが続いて5球目。低めのボールに両ひざを深く曲げてバットを当て、三塁走者の林颯太投手(3年)が生還して勝ち越した。
松山商は4月に大洲と練習試合をした際、相手エース宮内隆乃介投手(3年)から1点も取れなかった。安打もほとんど打てなかった。
松山商の大野康哉監督が試合前、「打つだけでは点を取れない。走者と打者と力を合わせて取りにいきたい」と話していた通りの攻撃を見せた。
宮内投手は腕が遅れて出てくる背負い投げのようなフォームでテンポ良く投げ込んだ。スライダーを見せ球にして直球で打ち取る投球がさえ、松山商打線をわずか2安打に抑えた。
先頭打者を出塁させたのは失点した七回だけだった。「七回はしんどくてちょっと気が緩んでしまった。林君への四球が無駄だった」。だが、「大会ナンバーワン投手」の呼び声が高い林投手と互角以上に渡り合った133球だった。
試合終了後の整列では、林投手に「ナイスピッチ」と声をかけられ、握手を交わした。
宮内投手は試合後、「勝ち切れなかったのは後悔です。それでもいいピッチングができて自信にもなりました」と、やり切った表情で話した。(中川壮)
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