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パリ五輪の開催地・フランスでは柔道がとてつもない人気なんです!

■国民の半数以上が柔道経験者!?

まず松岡修造さんが向かったのは、パリ最大の柔道場「アニエール道場」です。

松岡さん
「子どもたちにとって初めての柔道体験ということなんですが、親と一緒に柔道を楽しみながら感じているんですね」

3歳の子どもが親と一緒に行う通称「ベビー柔道」。フランスでは3歳から柔道を始められます。親子で一緒に回ったり、楽しんで柔道に触れ合っています。

フランスでは、なぜ子どもに柔道をさせようと思うのでしょうか?

参加者
「周りから聞いて柔道体験を始めました。子どもにとって規律を学び、伸び伸びと育つために良いことです」

教育的価値があると親が考えているため人気の柔道。街の至る所に柔道場があり、フランス全土で5300もあります。柔道人口は53万人、日本の12万人に対してなんと4倍以上もいるんです。

長年柔道を取材する元フランス国営放送の解説者、アルノー・ロメラさん(54)はこう説明します。

ロメラさん
「フランス国民は全員が一生に一度は柔道をやります。その辺の道端で聞いてみてください。半数以上が『柔道をしたことがある』と答えるでしょう」 そうやって育ってきた選手たち。フランスは今や日本最大のライバルです。東京五輪混合団体戦の決勝では、日本は1人しか勝てず、敗れています。

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■「夢の対決」阿部詩が個人戦で敗れた唯一の外国人選手

■「夢の対決」阿部詩が個人戦で敗れた唯一の外国人選手

こうしたフランス柔道発展の裏には、1人の日本人の存在がありました。

「フランス柔道の父」と言われる川石酒造之助さん(1899-1969)。1935年にフランスに渡り、柔道普及に努めました。父の跡を継ぎ、柔道を教えている長男・川石則一さん(75)はこう話します。 則一さん
「息子としてとても誇りに思います。日本では帯が白と黒ですが、その間に中間の色を加えました。フランス人は自分の方が上であると周りに示したいからです」

白と黒の2種類の帯を、白・黄・オレンジ・緑・青・茶・黒の七色にした川石さん。こうしたフランス人に合わせた指導が気質に合い、柔道が広まっていったのです。

フランスは指導者の育成もシステム化。独自のライセンス制度があり、職業として確立されています。

指導者の上位のクラスは、日本での研修も行います。この日指導するのはオリンピック金メダリスト・井上康生さん(46)。日本からも貪欲(どんよく)に学び、フランス柔道は日々アップデートされているのです。 こうして柔道大国となったフランス。そのなかで阿部詩選手(24)の前に立ちはだかるのが、アマンディーヌ・ブシャール選手(29)。

阿部選手が、ジュニア時代から含め個人戦で敗れた唯一の外国人選手です。この2人の対決は、フランス柔道界にとっても注目となっています。

松岡さん
「あの柔道の会場でブシャール選手、日本の阿部詩選手とやったら、とんでもないことになるんじゃないですか?」 フランス柔道連盟
リリアン・バレールさん(39)

「2人の決勝は夢の対決です。選手たちは観客に影響されます。満員の観客が阿部詩にプレッシャーを与え、ブシャールが勝つでしょう」

阿部選手の前に立ちはだかるフランス。決戦まであと6日です。

(「報道ステーション」2024年7月22日放送分より)

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