(25日、第106回全国高校野球選手権島根大会準決勝 大社7―1開星)

 1点をリードされて迎えた六回裏、1死三塁のピンチ。開星のエース井上勇翔投手(3年)が大社の石原勇翔選手(3年)に投じた7球目は、渾身(こんしん)の真っすぐ。中越えに弾き飛ばされ、追加点を許した。

 昨秋から背番号1を背負い、チームの7年ぶりの夏の甲子園出場を目指した。課題の球速は、体幹や下半身を鍛え上げ、昨秋に比べて10キロ上がって最速140キロ弱に。今大会では「コースにしっかり投げ込む」ことを心がけ勝ち上がってきた。

 この日も直球と多彩な変化球を織りまぜる打たせて取る投球で、五回まで被安打2。だが疲れが見え始めた六回に2失点を喫し、右足もつって、降板した。「ピンチでいかに抑えられるか、そこがよくなかった」。試合後、満身創痍(そうい)のエースは悔やんだ。(堀田浩一)

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