兵庫大会は26日に準決勝2試合が行われる。第1試合は、大会3連覇を狙う社と、3年ぶりに4強入りした報徳学園。第2試合は、昨年準優勝の明石商と、11年ぶりにベスト4入りとなる東洋大姫路が対戦する。各チームのこれまでの戦いを振り返り、見どころを紹介する。(敬称略)
守備好調の社VS長打力の報徳学園
第1試合は、2年連続で夏の甲子園に出場している社と、春の選抜大会で2年連続準優勝の報徳学園の好カードになった。
現チームの対戦は、昨秋の県大会準決勝以来だ。社は昨夏の甲子園を経験したエース福田海晴が、報徳学園は多彩な変化球を投げる間木歩がいずれも完投した。結果は、3―1で報徳学園の逆転勝ちだった。
今夏の社は、最速142キロの福田と制球力が高い笹倉大智を中心に、右腕の5投手で勝ち上がってきた。福田は3回戦で4回4失点だったが、5回戦は7回2失点と調子が上向いている。昨夏の甲子園を経験した捕手の西垣琉空のリードが鍵を握る。守備は2失策と4強の中で最も少ない。
打線は藤原悠宇が18打数12安打、小谷優成が20打数11安打と1、2番コンビが好調。チーム15盗塁は4強では最多で、3番の尾崎寛介が5盗塁を記録している。
報徳学園は、プロ注目で最速151キロを投げるエース今朝丸裕喜が2回戦で5回4失点だったが、その後は2試合計12回を無失点に抑えて復調している。今朝丸のほか、間木、左腕の伊藤功真ら4投手も無失点と安定している。
打線は、3番の安井康起が19打数14安打、打率7割超でチームを引っ張る。チーム打率は、社が3割8分4厘、報徳学園は3割8分2厘とほぼ同じだが、報徳学園は二塁打13本、三塁打5本、本塁打2本と、長打力が4強の中で際立っている。(森直由)
社の勝ち上がり
2回戦 10―1網干 四回に戸田が先制打を、五回に西垣が本塁打を放つなど計17安打。
3回戦 5―4洲本 4点差を追いつかれた直後の七回、竹岡が勝ち越し適時打。
4回戦 6―1津名 笹倉が8回1失点。九回、6四死球と藤原、小谷の適時打で5得点。
5回戦 7―4姫路西 2点を追う五回、西垣、戸田の適時打で逆転。救援の福田が7回2失点。
準々決勝 12―0加古川北 一回、藤原の二塁打など5長短打で5得点。五回コールド。
報徳学園の勝ち上がり
2回戦 13―4舞子 今朝丸が5回4失点も、安井の4安打など計12安打。七回コールド。
3回戦 7―0姫路工 一回、橋本が3点二塁打。間木ら3投手が継投。七回コールド。
4回戦 8―0星陵 安井のソロ、西村の2点本塁打を含め計12安打。七回コールド。
5回戦 9―0明石南 三回までに山岡の2点適時打などで6得点。八回コールド。
準々決勝 4―0神戸学院大付 三回、福留の犠飛で先制。今朝丸と間木の零封リレー。
手堅い明石商VS先手必勝の東洋大姫路
今大会で3度の逆転勝ちをしている明石商が粘りを見せるのか、それとも全5試合で先行した東洋大姫路が得意の試合展開に持ち込むのか。今春の県大会3位決定戦では、2―1で明石商が競り勝っている。
明石商は、盗塁が二つだが、犠打は25と着実に走者を次の塁に進める。
また、試合ごとに打順や先発野手を入れ替えて相手投手に対応してきた。チーム打率は3割2分6厘。松浦悠馬、小斉大翔、陰山啓志の3選手が打率4割を超える。
投手陣の中心は、右腕の横山康瑛だ。6投手が登板してきたなかで、2完投を含む計23回を投げて1失点とチームを引っ張っている。
一方、東洋大姫路の強みは、投手陣の安定感だ。5試合での失点は3、与四死球は四つと、いずれも4強のなかで最少となっている。エースの阪下漣は、4試合で計20回と3分の2を投げて3失点。2回戦と準々決勝で完投し、4、5回戦は終盤に救援して試合を締めた。
チーム打率は2割6分9厘と4強のなかでは一番低いが、先手必勝の攻撃が機能している。鍵は1番の渡辺拓雲だ。4試合で一回に出塁し、3度、先制のホームを踏んだ。5盗塁の機動力も光る。(原野百々恵)
明石商の勝ち上がり
2回戦 12―1相生産 3点リードの六回、横山の適時打など5長短打で5得点。七回コールド。
3回戦 6―2関西学院 四回、松浦、小斉の連続適時打で計4点を奪い逆転。
4回戦 3―1兵庫工 同点の七回、井川が勝ち越し2点適時二塁打。横山が完投。
5回戦 5―2育英 七回、松浦の3点二塁打で逆転。横山が五回から最後まで投げ無失点。
準々決勝 2―0滝川二 三回、小斉が2点適時打。横山は8安打を許しながらも完封。
東洋大姫路の勝ち上がり
2回戦 3―1葺合 阪下が完投。六回に敵失で勝ち越し。八回、桑原の適時打で加点。
3回戦 12―0浜坂 一回、6四死球と白鳥の適時打など4長短打で7得点。五回コールド。
4回戦 3―0明石清水 二回、川口が先制打。中島が八回途中まで投げ、阪下が救援。
5回戦 2―0三田学園 一回、犠打と三盗、野選で先制。磯尾が8回無失点。
準々決勝 4―2神戸国際大付 1点リードの六回、高畑が適時三塁打。阪下は完投。
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