(第106回全国高校野球選手権大阪大会 準々決勝 大阪桐蔭7―3早稲田摂陵)
初の8強に進んだ早稲田摂陵打線を引っ張ったのは、1番の新川正啓(まさひろ)選手(3年)だった。
4点を追う三回表2死一塁。一回には変化球を中前にはじき返し、いきなり出塁していた。
「今度は直球中心で来る」と配球を読んだ。思い切り振り抜くと、素手で握ったバットから心地よい感触が伝わってきた。打球は左中間を破り、適時二塁打に。追い上げの一打に、球場の空気が変わった。
小学生の時から打席では両手とも素手。バッティンググラブを試したこともあるが、「バットのどこで打ったかがわかりやすい」と打撃感覚を研ぎ澄ませた。
中盤以降も、四回に柴田浬(かいり)選手、八回に神崎智裕選手と頼もしい2年生が適時打で続いた。来年度からは新たな校名の「早稲田大阪」でチームを支えることになる後輩たちに、「新しい環境でも歴史をつくってほしい」と後を託した。(黒田陸離)
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