注目
《日程》
NHK放送予定
◇男子のエース・橋本大輝 個人総合2連覇は
◇金奪還なるか 男子団体
◇女子はエース抜け4人で 60年ぶりのメダル目指す
アメリカのエース・復帰のバイルズにも注目
連覇の期待がかかるのが体操ニッポンのエース、22歳の橋本大輝選手です。東京オリンピックに19歳で初出場し、史上最年少で個人総合金メダルを獲得。種目別の鉄棒も制し、若きエースとして不動の地位を築き上げました。その後、鉄棒でF難度の大技、「リューキン」を取り入れたほか苦手種目のつり輪に取り組むなど技を磨き続け、去年の世界選手権では、内村航平さん以来となる史上4人目の個人総合2連覇を果たしました。ことし5月には、練習中に右手の中指を痛めるアクシデントに見舞われましたが6月には本格的に練習を再開し、順調な回復ぶりを見せていて、パリ大会で再び頂点をねらいます。
男子団体はリオデジャネイロ大会以来となる2大会ぶりの金メダルを目指します。団体の代表メンバーは、▽エースの橋本大輝選手に加え▽2大会連続出場の萱和磨選手と谷川航選手▽初出場の岡慎之助選手と▽杉野正尭選手の5人です。パリ大会はウクライナ侵攻の影響でロシア勢が出場せず、日本の最大のライバルとなる強豪・中国と僅差の争いとなることが予想され、日本の底力が試されます。対中国戦略を練ってきた水鳥寿思 男子強化本部長は、エースの張博恒選手を中心に、中国が得意のつり輪だけで日本に2点以上の差をつけるとみています。中国に勝つために大きな鍵となるのが、前半種目のゆかとあん馬でどれだけ点差を広げられるか。そのあん馬で大きな期待がかかるのが、25歳の杉野選手です。杉野選手は、最高難度のH難度の大技、「Hコンバイン」など、難度の高い演技構成をこなし、15点以上の得点を上積みできる可能性があります。そして、日本が得意とする最後の鉄棒で逆転するのが、日本が描くシナリオです。G難度の「カッシーナ」やF難度の「リューキン」など大技を高い完成度でこなす橋本選手に加え、日本選手がほとんど取り組んでいない大技「ペガン」を得意とする杉野選手の2人は、高い得点が見込まれます。東京大会はわずか0.103差で銀メダルとなり「この悔しさは忘れたことがない」と口をそろえて話す当時の代表メンバー。初出場の2人を加えた5人のメンバーが日本の底力を見せてくれるのか注目です。
日本の女子団体はエースのキャプテンの19歳、宮田選手が喫煙と飲酒で出場を辞退したため4人の選手で1964年の東京オリンピック以来となる60年ぶりのメダル獲得を目指します。前回の東京大会後、女子は銅メダリストの村上茉愛さんや寺本明日香さんなど、長年、日本代表をけん引してきた選手たちが引退し、世代交代が一気に進みました。パリ大会は史上初となる全員が10代のメンバーで▽16歳の高校2年生、岸里奈選手▽16歳の高校1年生、中村遥香選手▽19歳の岡村真選手▽19歳の牛奥小羽選手で臨みます。ゆかでH難度の大技、「シリバス」をこなす岸選手や、去年、アジア大会の種目別平均台で日本勢初となる金メダルを獲得した岡村選手などそれぞれが得意種目を持っています。東京大会銀メダルのアメリカや、銅メダルのイギリスなど、世界トップクラスのチームは盤石な強さを見せるなか、すべての種目で高い得点が期待されていたチームの中心選手の宮田選手が抜けたことで、日本の女子団体は厳しい戦いが予想されます。
海外の注目選手は、アメリカ女子のエース、シモーネ・バイルズ選手です。バイルズ選手は、リオデジャネイロオリンピックで団体と個人総合、それに種目別で合わせて4つの金メダルを獲得したほか、世界選手権では、これまで男女通じて最多となる23個の金メダルを獲得してきました。東京オリンピックではメンタルヘルスの問題で団体決勝の一部の演技を見送ったほか、個人総合の決勝を欠場するなどアスリートのメンタルヘルスの問題に一石を投じ、世界的に注目されました。その後、休養したバイルズ選手は去年、3大会ぶりに世界選手権に復帰し、圧倒的な力を見せて個人総合で金メダルを獲得しました。パリ大会でもその強さを見せてくれるのか、注目されます。
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