(28日、第106回全国高校野球選手権大阪大会決勝 大阪桐蔭3―1東海大大阪仰星)

 大阪桐蔭の背番号「16」の森陽樹が15奪三振の完投で、春夏連続の甲子園に導いた。

 「朝のバスで先発を言われた」という2年生右腕は、大舞台でも落ち着いて持ち味を発揮した。

 190センチの長身から投げ下ろす150キロ超の球威だけでない。

 中盤からは、落差のあるスプリットやキレのあるカットボールなども交ぜて緩急をつけ、相手の目先を変えた。巧みな投球術も光り、三~五回には5者連続三振を奪うなど、三振の山を築いた。

 球数が100を超えた八回に1点を失ったが、球威は衰えない。「強気で攻められた」となお2死二、三塁で直球を続け、遊ゴロで切り抜けた。

 今大会は7試合で6人が登板し、4人が先発マウンドに立った。準決勝では中野大虎(だいと)、決勝では森と、2年生投手がそれぞれ完投。準々決勝以降、3年生のエース平嶋桂知(かいち)の出番がなかったことが、投手層の厚さを物語る。

 「連戦なので。投手だけじゃなく、全員でうまく乗り越えられたと思っている」と西谷浩一監督が話すように、野手陣も選抜から打順が変わるなど競争が活発。選抜で4番を任されていたラマル・ギービン・ラタナヤケも、3回戦以降は代打に回った。

 この日、バット引きをするなどサポートに徹した平嶋は「甲子園に出られてうれしい。でも悔しさの方がかなり大きい」と甲子園での飛躍を誓う。

 チーム内で高め合いつつ、悔しさも糧に第100回大会(2018年)以来の日本一へ――。準備は整いつつある。=シティ信金スタ(大坂尚子)

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