(28日、全国高校女子硬式野球選手権準決勝 花巻東8―0東海大静岡翔洋)

 創部5年目の花巻東が快勝で初の決勝進出。すでに全国高校野球選手権大会出場を決めている男子野球部とともに、「甲子園行き」を決めた。

 「やめたいと思ったこともあったけど、続けてきてよかった」。試合後、佐々木秋羽(しゅう)主将は声を詰まらせた。「男子とは一緒に練習することもあり、学ぶことも多いです。一緒に甲子園に出られてうれしいし、負けられない」と話した。

 佐々木の1歳上の兄が、昨年まで花巻東の男子野球部で活躍した麟太郎(米スタンフォード大)だ。幼い頃から仲が良く、一緒に野球に取り組んだ。昨夏の甲子園では観客席から声援を送り、「来年は自分が甲子園」と思いを募らせてきた。父は男子野球部の洋監督だ。

 兄は高校通算140本塁打の強打者だが、同じ左打ちながら妹は2番を打つ巧打者タイプ。兄から「右肩を開くな」とアドバイスを受け、この日は遊撃に内野安打を放ち、二盗に成功。犠打も決めるなど役割を果たした。

 8月3日、父と兄に続き、甲子園のグラウンドに足を踏み入れる。「甲子園に行ける人は一握りで、まして女子は夏の決勝だけ。感謝の気持ちで戦いたい」

 そして、笑って続けた。

「父も兄も成し遂げていない日本一。先に達成します」(稲崎航一)

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