パリ五輪の日本勢第1号の金メダルは、八千代から――。柔道女子48キロ級の決勝が28日未明(日本時間)にあり、千葉県八千代市出身の角田夏実選手(31)=SBC湘南美容クリニック=が優勝すると、市内のパブリックビューイング会場から大歓声が上がった。

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 角田選手は、初戦から得意のともえ投げで対戦相手を投げ飛ばし続けた。決勝でも、開始2分54秒にともえ投げで技あり。そのまま、勝利をたぐり寄せた。試合が始まる前は笑みを見せていた角田選手。表彰台に立つと、こらえきれずに涙を流した。

 角田選手を応援しようと、八千代市は市民会館とイオンモール八千代緑が丘でパブリックビューイングを開いた。27日夕の1回戦から、入れ替わりながら市民が集まり、声援を送った。市民会館では、母校の八千代高校柔道部の約10人が柔道着姿で応援。3年生の新井優菜主将(17)は「得意のともえ投げを警戒されながらも、何度もかけ続けて勝つ。すごい」。昨年、部を訪れた角田選手と組む機会があった。同じ階級だが「力が強く、技が速い。しっかり、ともえ投げで投げられました」。

 未明の決勝には、両会場あわせて約500人が集まり、優勝を喜んだ。「夏実ちゃん」と書いたうちわを手にした越後久美子さん(61)は、娘が角田選手と小学校の同級生だった。「うちにもよく遊びに来たけど、小さくて可愛い子でしたよ。東京五輪に出場できず、悔しい思いをしていたと思う。パリに行き、金メダルを取れて本当にうれしい」と涙ぐんだ。

 試合後、会場には「夢と感動をありがとう 祝金メダル 角田夏実選手」のメッセージが映し出された。服部友則市長は「八千代市民の声援がパリに届いた。応援、ありがとうございました」と話した。(本田大次郎)

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