（29日、第106回全国高校野球選手権静岡大会決勝 掛川西7―2聖隷クリストファー）

　「これ以上、絶対に点をやらない」。同点に追いつかれた直後のイニングに3点を勝ち越し、5―2で迎えた四回裏。掛川西のエース高橋郁真投手（3年）は気合を入れてマウンドに向かった。聖隷クリストファー打線にこの回、安打1本を許したが、後続を抑え、相手に主導権を渡さなかった。

　掛川西は今大会、1イニングに複数失点を許していない。聖隷はこの日も粘り強く、二桁安打を浴び、六回を除いて毎回、走者を背負ったが、仲間が「大丈夫」と声をかけてくれ、2失点で完投した。「捕手とバックのみんなを信じて打たせて取る野球ができた」と高橋投手。好リードした堀口泰徳捕手（3年）も「初回に打たれた後、緩急を使うように変えた。要所を締めてくれた」と笑顔で話した。

　甲子園での目標はベスト8。高橋投手は「静岡大会優勝はターニングポイントに過ぎない。甲子園では泥臭く、1点をがむしゃらに取りに行くプレーをしたい。まだまだ成長できる」と誓った。（青山祥子、斉藤智子）

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