長年“日本の壁”に

シドニー大会の金メダリスト、井上康生さんや、アテネ大会の金メダリスト、鈴木桂治さんを、国際大会で破り、前回の東京大会では3位決定戦で原沢久喜選手を退けるなど、長年、日本の壁にもなってきました。

去年11月、日本で合宿を行った際「日本選手とやると、どんな試合でも難しい。井上選手や鈴木選手はいつも難しかった」と、かつての対戦を振り返っていました。

そして、母国での開催となったオリンピックに向けては「人生に一度しかないこと。一番すばらしい大会だから、金メダルを取りたい」と意気込んでいました。

準々決勝で会場が騒然とする場面も

初戦こそ延長戦にもつれる展開になりましたが、準々決勝でジョージアのグラム・トゥシシビリ選手と対戦した際には、リネール選手が開始から2分余りで豪快な谷落としで一本を奪いました。

そのまま試合が終わるかに思われましたが、トゥシシビリ選手がリネール選手に蹴りかかるようなしぐさを見せて、会場が騒然とする場面もありました。

その結果、トゥシシビリ選手は、柔道の精神に反する行為だとして、その後の敗者復活戦に出場することができなくなり、試合後、畳から降りたリネール選手に向けて「テディ」と大声援が巻き起こり、会場のボルテージもさらに上がりました。

“柔道界のレジェンド” 6大会目のオリンピックは?

準決勝でタジキスタンの選手に鮮やかな大外刈りを決めて一本勝ちを収めて、臨んだ決勝。

韓国のキム・ミンジョン選手には開始から3分44秒、払い腰を決めて一本勝ちで頂点に立つと、しばらく歓声が鳴りやみませんでした。

リネール選手は、試合についてレッシャーがないと言えばうそになるが、きょうはいいプレッシャーがあった」と振り返りました。

そして、4年後のロサンゼルス大会への思いを聞かれると「ロサンゼルスに行くことを願ってはいるが、まずは休養が先だ。家族との時間を過ごしてから次のステップに備えたい」と話し、柔道界のレジェンドは6大会目のオリンピックを目指す可能性もほのめかしました。

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