志田選手と松山選手の『シダマツ』ペアは3日、女子ダブルスの3位決定戦で、マレーシアのタン選手とティナ選手のペアと対戦しました。
第1ゲームは松山選手の力強いショットと、志田選手の素早い反応から繰り出す緩急をつけたショットで相手のペアを揺さぶり主導権を握ると21対11で取りました。
第2ゲームも『シダマツ』ペアは息の合ったプレーと正確なショットで相手に流れを渡さずそのまま押し切り、このゲームも21対11で取ってゲームカウント2対0のストレート勝ちで銅メダルを獲得しました。
日本勢のこの種目でのメダル獲得は2大会ぶりです。
志田「持ち帰るものを獲得できてよかった」
志田選手は「勝っても負けても最後だと思っていたので『1球も諦めないでシャトルを追おう』という気持ちでやっていた。準決勝で負けてしまって悔しかったが、2人で持ち帰るものを獲得できてよかった」と喜びを語りました。
松山「とにかく勝ちたかった」
松山選手は「とにかく勝ちたかったのでメダルを持って帰れることにほっとした。日本からもたくさんのメッセージもらっていたので勝利を届けられたことをうれしく思う」と話していました。
日本女子ダブルスの強さ示す
初出場のオリンピックで、銅メダルを獲得した女子ダブルスの『シダマツ』ペア。
1学年上の志田千陽選手と松山奈未選手は高校時代、国際大会で初めてペアを組んで、高校卒業後はともに熊本県のチームに所属し、オリンピックの舞台を目指すようになりました。
明るいキャラの志田選手に、人見知りの松山選手。
松山選手が「志田さんじゃなかったら自分をここまで引っ張ってくれなかった」と語るように年上の志田選手がリードする形で成長してきました。
しかし、世界でも層が厚いとされる日本の女子ダブルス。
東京オリンピックの出場はかなわず、福島由紀選手と廣田彩花選手の『フクヒロ』ペア。
それに、永原和可那選手と松本麻佑選手の『ナガマツ』ペアのサポートにまわりました。
そのなかでオリンピックで思うような結果を残せなかった先輩ペアたちの姿を見て、力を出し切ることの難しさを痛感するとともに夢舞台を目指すうえでの覚悟が決まりました。
松山奈未選手
「オリンピックって特別でそこで自分も少し“怖いものだな”と思った。そこからは少しずつ意識も変わった」
東京大会後、『シダマツ』ペアは急成長を遂げました。
攻撃的なスタイルで世界選手権に次ぐ全英オープンで初優勝するなど、国際大会で好成績を残し続けました。
パリ大会に出場できるのは日本からは最大2組。
激しい出場権争いのなかで先輩ペアに勝ちきる精神的な強さも身につけて念願のオリンピック初出場を果たしました。
松山奈未選手
「先輩たちを倒したいという気持ちでやってきて。感謝というと少し違うかもしれないが先輩たちのためにもオリンピックは負けられない戦いになる」
志田千陽選手
「どんなことがあっても目標がブレなかったから、ここまで走りきれた。最後は悔いなく戦いたい」
その言葉のとおり、パリで2人は躍動しました。
志田選手の抜群のスピードを生かしたコートカバーに松山選手の力強いスマッシュと、2人の持ち味を存分に発揮して念願のメダルを獲得。
ロンドンとリオデジャネイロの過去2大会で日本がメダルを獲得した女子ダブルスに2大会ぶりのメダルをもたらし、歴史をつなぐとともにその強さを世界に示しました。
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