■パリオリンピック™ 混合団体 決勝(3日、シャンドマルス・アリーナ )
柔道の混合団体で日本は決勝で東京五輪金メダルのフランスと対戦し、3ー4で敗戦。東京五輪のリベンジを果たすことが叶わず、日本は2大会連続の銀メダルとなった。
3勝3敗の大接戦となり代表戦の抽選で「90キロ超級」の対戦が選ばれ、最後は斉藤立(22)が“絶対王者”リネールに敗れあと一歩及ばなかった。
3-1と勝利に王手をかけていたが追いつかれ、ゴールデンスコア方式の代表戦へ。抽選で90キロ超級に決定、斉藤立と100キロ超級の金メダリスト、T.リネール(35)の対戦。斉藤は果敢に攻めていくが、リネールの長い手と長い足で技がなかなかかからない。5分35秒、内股を狙うが持ち上がらず。6分26秒、リネールの大内刈りが決まり、無念の逆転負けとなった。
準々決勝のセルビアには4勝1敗、準決勝のドイツには4勝0敗と最高の形で決勝に進んできた。柔道競技もいよいよラスト、相手は地元のフランス、東京五輪の決勝と同じカードとなった。
日本のメンバーは村尾三四郎(23)、高山莉加(29)、斉藤立(22)、角田夏実(31)、阿部一二三(26)、髙市未来(30)の6人、女子48キロ級の角田が初登場となった。
地元フランスへの大歓声で日本は完全にアウェイ状態、この中、日本の先陣を切ったのが、男子90キロ以下、銀メダリストの村尾。相手は同じ階級の銅メダリスト、M.ヌギャップハンゴウ(23)。村尾は開始から内股、大腰、内股からの小内刈と多彩な技で攻めていった。残り1分20秒で内股を仕掛けたがポイントが奪えず。ゴールデンスコアに突入、その直後、村尾は大内刈で技あり、日本が幸先よく1勝を挙げた。
2試合目、女子70キロ超級では高山莉加(29)準決勝のドイツ戦では抑え込みで勝利を収めた。ここでも女子78キロ級の銅メダリスト、R.ディコ(24)と対戦。1つ上の階級でメダリストと厳しい状況、パワーの前に開始1分で2回の指導を受けてしまう。それでも攻め続ける高山は、残り1分45秒、大内刈で技ありを奪った。そのまま抑え込みに入ったが逃げられてしまった。最後まで攻め続けた高山は優勢勝ち、2連勝で日本に最高の流れを作った。
3試合目は男子90キロ超級に斉藤立(22)、相手は100キロ超級の金メダリスト、T.リネール(35)、高山から背中を叩かれ、畳に上がった斉藤、金メダリスト相手に果敢に攻めていった。試合はゴールデンスコアへ、しかし、3分4秒、リネールの内股を決められ、日本は2勝1敗となった。
4試合目、女子57キロ以下には角田夏実(31)、女子48キロ級の金メダリストが2つ階級が上の57キロ級の銅メダリスト、S.シジク(26)と対戦。1分42秒、得意の巴投げでチャンスを作ったがポイントを奪えず、その直後の巴投げで1本勝ち、2階級上の選手から勝利を収めた。
あと1勝で悲願の金メダル、5試合目は男子73キロ以下に66キロ級の金メダリスト、阿部一二三(26)、角田に続き、階級が1つ上の73キロ級銀メダリスト、J.ギャバ(23)が相手。阿部も足技で階級が上の選手を圧倒、ポイントは奪えないまま、ゴールデンスコアへ。本戦と合わせて8分52秒、一瞬の隙を突かれてポイントを奪われ、日本は3勝2敗となった。
6試合目、女子70キロ以下には髙市未来(30)、ここでは階級が1つ下、63キロ級銅メダリスト、C.アグベニュー(31)と対戦。開始から攻める髙市は1分10秒、大外刈を仕掛けたがポイントは奪えず、さらに残り1分10秒で大内刈りを仕掛けたがポイントにならず。ゴールデンスコアへ。髙市は巻き込み技でポイントを奪われて3勝3敗に。
◆決着はゴールデンスコア方式の代表戦へ
金メダルをかけた戦いはゴールデンスコア方式の代表戦に突入。抽選で90キロ超級に決定し、斉藤が再びリネールと対戦。6分を超える死闘となり、果敢に攻めていくが、最後はリネールの大内刈りが決まり、日本はリベンジならず、2大会連続の銀メダル、阿部一二三が畳の上で涙を流した。
試合後に阿部は「日本のみなさん、本当にすみません」と涙を浮かべた。そして、1階級上の選手と8分52秒の死闘に「いいバトンを繋いでくれたのに、あそこで勝たないと意味がない」と悔しさを表した。
“絶対王者”リネールと2度の戦いを繰り広げた斉藤は「すみません」と涙を流しながら答え、「本戦で負けてしまった、代表戦でも負けてしまって、本当に本当に悔いが残ります。きょう勝たないといつ勝つんだという舞台で勝てなくて、本当に顔向けできないです」と言葉をふり絞っていた。
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