相手は夏の甲子園優勝経験のある福岡代表――。第106回全国高校野球選手権大会(朝日新聞社、日本高校野球連盟主催)は4日、大阪市北区中之島のフェスティバルホールで組み合わせ抽選会が開かれ、秋田代表の金足農は第3日の9日、1回戦第2試合で福岡代表の西日本短大付と対戦することが決まった。

 金足農は、抽選順を決める予備抽選で、49代表中46番目だった。大阪桐蔭、報徳学園(兵庫)……。壇上で順番を待つ高橋佳佑主将(3年)が対戦したいと考えていた強豪は、次々と相手が決まっていく。残り4校。白い札を引く。金足農の校名が西日本短大付の隣にかかった。今春の選抜大会で8強入りした青森山田の相手も空いていただけに、「東北対決は避けたかったので、少し安心しました」。

 手持ちの西日本短大付の情報は多くない。選手宣誓の抽選の間、立候補しなかった高橋主将は、たまたま隣り合わせた九州の創成館(長崎)の主将と話して「取材」。180センチ超えの大型投手がおり、強いチームだと聞かされた。「全力で戦いたい」と話し、顔がきりっと引き締まる。

 大会第3日は、秋田から移動してきて10日目になる。中泉一豊監督は「関西の暑さに慣れるのに10日かかると考えている。早すぎず、(試合を)待ちすぎずで、よかった」。第2試合は午前中の10時35分開始予定でもあり、日程はまずまず、といった評価だった。(隈部康弘)

西日本短大付(福岡代表 3年ぶり7回目)

 福岡大会計7試合で74安打、主力に打率4割超が6人と強打で勝ち上がった。中軸の高峰駿輝と村上太一がともに本塁打1本を含む12安打と好調。2年も頼もしく、俊足の奥駿仁は10安打6盗塁で好機を作り、斉藤大将は10打点と勝負強い。

 村上はエースで6試合に登板し、防御率1点台。制球力が高く、ピンチでも動じない。左腕の尾方聡馬は緩急で打ち取り、中野琉碧はスライダーが切れる。準決勝は3人の粘投が延長十回での勝利を呼び込んだ。

 決勝では、昨秋と今春の県大会で敗れた福岡大大濠に競り勝ち、3年ぶり7回目の甲子園を決めた。

 目標は1992年以来の夏の全国制覇。62年開校の私立で、卒業生に日本ハムの新庄剛志監督がいる。(太田悠斗)

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 金足農・高橋佳佑主将 相手が決まり、やってやるぞ、という気持ちが強くなった。西日本短大付は福岡代表で力はあると思う。自分たちは49代表のうち、49番目のチームだと思っている。泥臭く、粘り強く、やってきたこと出し切って戦う。

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 金足農・中泉一豊監督 どこと当たるにしても、力のあるチームばかりだ。西日本短大付については、これから情報を集めたい。自分たちは、やってきたことを出していくしかない。ホームに近づいていって、1点を積み重ねていきたい。

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 西日本短大付・高峰駿輝主将 全国準優勝時の戦いぶりはテレビで見た。守りが堅い印象がある。応援もすごく、地元に愛されているチーム。相手の勢いに負けないように、自分たちの持ち味である攻撃力を生かして、全力で戦いたい。

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 西日本短大付・西村慎太郎監督 第100回大会での2ランスクイズのように、一体感がある素晴らしいチームという印象。これから対応を研究したい。福岡代表の名に恥じぬよう、泥臭く堅実に、西短らしく打力を生かしたプレーを見せたい。

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