パリオリンピック™レスリング男子・グレコローマン60キロ級。東京オリンピックの銀メダリスト、文田健一郎選手が金メダルを獲得しました。

■レスリング・文田健一郎選手の強みは「柔軟性」

井上貴博キャスター:
文田健一郎選手の強みは「圧倒的な投げ」なんですが、それとプラスで東京オリンピック後に磨いたのが「守り」でした。

「徹底して守る力」が発揮されたのが決勝戦です。

第2ピリオドの残り2分11秒、相手に後ろを取られる不利な体勢からスタート。ここでローリングをされる(肩を90度以上回される)と2ポイントつくので同点にされてしまう。

ここからの勝利のポイントは、ローリングを柔軟性でかわしたことでした。

レスリング元日本代表 浜口京子さん:
まず後ろから体を捕まれてしまって、ロックされてしまうんです。この後、相手選手は文田選手を横に回転させたいんです。

ほぼ立ち上がるぐらいまで体を持ち上げ、上半身が浮いた状態になっています。下半身も足の方が浮いています。こうなるとバランスが悪くなるんですが、やはり文田選手の柔軟性で体重移動をしっかりとして、微妙な位置もしっかりと把握しながら真下に体重を乗っけて返らないようにしていました。

井上キャスター:
ここまで体が持ち上がると、一般的な選手は絶体絶命ですか?

浜口さん:
絶体絶命です。あれだけ体が浮かされているので、踏ん張れず、力が入れにくいという感じですね。

ホラン千秋キャスター:
足でもギュッと止めてますもんね。

浜口さん:
ここは本当に勝負でしたね。勝敗の分かれ目という感じです。

井上キャスター:
文田選手は「攻め」だけではなく「守り」も手に入れ、金メダルを獲得しました。

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<プロフィール>
浜口京子さん
レスリング元日本代表
アテネ五輪・北京五輪で銅

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