陸上女子やり投げの予選は3回投げて62メートル以上の記録をマークするか、上位12人以内に入れば10日に行われる決勝に進みます。

日本からは、去年の世界選手権でこの種目日本選手初の金メダルを獲得しパリ大会でも金メダルを目指す北口選手と、いずれもオリンピック初出場でおととしから2大会連続で世界選手権に出場している上田選手、去年の日本選手権で北口選手を破って優勝した斉藤真理菜選手の3人が出場しました。

北口選手は1回目の投てきで62メートル58センチをマークし、2大会連続の決勝進出を決めました。

上田選手は2回目の投てきで61メートル8センチをマークし、全体12位で北口選手とともに決勝進出を決めました。

斉藤選手は1回目の投てきで59メートル42センチをマークしたあとは記録を伸ばせず、予選敗退となりました。

北口「決勝は今シーズンベストを」

北口選手は「今回のスタジアムでは当日しか練習できないので、練習の意味でもう少し投げたい気持ちもあったが、目標は1回で62メートル50センチを超えることだったので、超えられてよかった」としたうえで「初めて観客のいるオリンピックを経験したが、たくさんの観客が入っていてすごく幸せで楽しく試合ができている」と話していました。
また「本番は決勝なのでしっかり修正して臨みたい。予選を見ていても仕上げてきている選手はかなり仕上げてきていると感じるので、決勝ではしっかりと今シーズンのベストを更新したいし、いい勝負をしたい」と意気込みを見せていました。

上田「素直にうれしい」

上田百寧選手は「決勝進出が決まり素直にうれしい。2投目は持っている力をやりにぶつけるよう意識して、いい投げができた。決勝はきょう以上のパフォーマンスができるように準備したい」と話していました。

斉藤「胸の五輪マーク 何よりうれしかった」

斉藤真理菜選手は「悔しい気持ちはあるが力を出し切ることができ、とても楽しかった。五輪のマークを胸につけて出場できていることが何よりもうれしかった」と話していました。

北口 ”世界女王”の重圧をこえて

女子フィールド種目では日本選手初めての金メダル獲得を目指す北口選手は昨シーズン初めて世界選手権で金メダルを獲得し、世界女王としてパリの舞台に立ちました。

しかし本番まで1か月を切った日本選手権のあとのインタビューで北口選手は「パリオリンピックに向けて危機感がある」と語り、トレードマークの笑顔は見られませんでした。

今シーズンは大会で結果を残しながらも持ち味の上半身の柔軟性を生かした投てきができておらず、コンディショニングに不安がありました。

その要因のひとつがオリンピックの重圧です。

4年に1度の舞台に向けて海外勢が調子を上げてきている中で「本番までトップであり続けないといけない」と負荷の高いトレーニングを続けていたことが原因で体が動かなくなるという事態に陥っていました。

そこでコーチやトレーナー、スタッフが力を合わせて北口選手の体の状況にあわせながら、練習のメニューやスケジュールなどを組み立てました。

そして徐々に調子を取り戻した北口選手は7月、今シーズンでは初めて65メートルを超える好記録をマークし、オリンピック本番に臨みました。

悲願の金メダル獲得を目指して、チームの力を結集して決勝に挑みます。

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