【パリ共同】世界反ドーピング機関(WADA)は22日、2021年東京五輪の競泳で、中国の23選手が大会前のドーピング検査で陽性となりながら出場を許可された問題で記者会見し、バンカ委員長は「いかなる情報源からも不正行為だという証拠は得られなかった。正しい判断をしたと確信している」と語った。
21年初頭の国内大会時の検査で23選手は禁止物質トリメタジジンに陽性反応を示したが、中国側は汚染(コンタミネーション)が原因として処分を科さず、WADAも容認した。選手たちは全員同じ宿泊先で、ホテルの調理場にあった香辛料の容器などから禁止物質が検出された。この環境下で集団的な食物汚染があったと認められるという。ただ、当時は新型コロナウイルス禍で独立した調査員を派遣できず、WADAは調理場で禁止物質が出た原因は不明だとの見解を示した。
この問題を巡っては米国反ドーピング機関が「公平で国際的なルールに従わず、彼らの陽性反応を隠した」とWADAの対応を批判するなど波紋が広がっている。(共同)
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