19日に予定されている第106回全国高校野球選手権大会の準々決勝で、東東京代表・関東第一と神奈川代表・東海大相模が戦う。両校の夏の甲子園での対戦は、東海大相模が優勝した2015年の準決勝以来。対戦を前に、関東第一の米沢貴光監督(49)と東海大相模の原俊介監督(46)、それぞれに相手校の印象などを聞いた。対談の形で紹介する。(佐野楓、手代木慶)

 ――3回戦を振り返って手応えや課題、反省点は。

 米沢監督 ここまで残っている学校はどこも強い。明徳さんはやっぱり強かったし、うちが負けててもおかしくなかった。紙一重のところで、何とかつかめた。まあでも、勝ったことで全て「マル」なので。甲子園って多分そういうところ。課題もあるけど、もうそれは仕方ない。守り勝てたということでよかったです。

 原監督 ピッチャーの立ち上がりが悪かったですね。朝一のコンディションの整え方、見ていると動きが少なかった。(準々決勝も3回戦と)同じ時間帯なので、室内練習場での動きをもう少し増やすように言いたい。ストレッチが多すぎて、身体が働いていない状態でキャッチボールに行ってしまう。そうすると、身体をフルに使う必要があるピッチャーは、ちょっとウォームアップ不足になるのかなと思います。

 ――相手校の印象は。

 米沢 相模さんとは2015年、(前監督の)門馬さんのチームと甲子園の準決勝で対戦させてもらっています。そのときもすごく洗練されたチームで、そのまま全国優勝された。指導者は代わっていますが、相模という伝統の中で作り上げてきたチームなので当然強いと思うし、選手の個々の能力も高いと思う。

 準々決勝、準決勝の違いはありますけど、やっぱり甲子園で負けているのでリベンジしたいし、その時の悔しさは覚えています。

 原 継投でつないでくるチーム。それぞれのピッチャーの特徴が違って難しいと思います。どうやって攻略するか、時間を使ってしっかり考えたい。

 ――注目、警戒する選手は

 米沢 藤田君、福田君の二枚がすばらしい力を持っている。トップクラスの2人なので、なかなか簡単ではない。1打席に1球あると思う甘い球を仕留められるように。バッター、野手では3番の中村君を中心に打線が回っている。ひとりひとりの能力も高いです。1イニング1イニングを勝負する形で挑んでいきたい。

 原 まだあまり(関東第一の選手を)見られていないが、左二枚(畠中、坂本)と右のエース(坂井)。サードで4番(高橋)、キャッチャー(熊谷)はバッティングがいいので、ウィークポイントを探します。

 ――自チームの持ち味は。

 米沢 うちはもう全員で頑張らないと。全員でやれることをやっていくしかない。ひとりひとりが自分の良い味を出してくれれば、こうやって戦えてきているので。三拍子でなくても、なんとか自分の一拍子二拍子でもちょっとずつ出し合って戦っていければと思う。

 原 全員ですね。特に誰かというわけではなく。下位が打ったら上位がかえすとか、上位が打ったら次がかえすとか、クリーンアップが出たら下位がかえすとかね。誰か一人活躍したってチームの勝ちにはつながらないので、そういう意味では全員野球ですよね。

 ――理想の試合展開は。

 米沢 3点前後の勝負で頑張っていくしかない。当然、坂井1人では無理ですし、複数人のピッチャーで1試合を終えるしかないと思います。

 原 (「つながる野球」を掲げているように)つながった状態でプレーできないと、メンタル的にも誰かの気持ちが切れた時に終わってしまう。そういうことがないように、ゲームセットまで集中していくのが本当に大事だと思います。

 ――改めて意気込みを。

 米沢 1試合1試合、精いっぱい戦い抜いていきたい。台風で大変ななか、学校のサポートも、応援も含めてすごく頂いている。野球部どうこうじゃなく、甲子園って学校が主役。その中で1回でも多く校歌を歌えれば、皆さんも喜んでくれると思います。

 原 ここまで勝ち上がってきたチーム、甲子園に出るチームはどこも強いですけど、相手校も本校も甲子園で成長した子たちばかり。競り負けないようにしたいですね。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。