東東京代表・関東第一は21日、午前8時開始予定の第1試合で神村学園(鹿児島)と準決勝を戦う。甲子園での対戦は初めて。ともにまだ本調子ではない主砲の出来や、投手の継投のタイミングが鍵になりそうだ。関東第一の夏の最高成績は4強。選手たちは20日、兵庫県淡路市で2時間ほど練習し、大一番に備えた。

 関東第一は3回戦で明徳義塾(高知)、準々決勝で東海大相模(神奈川)と優勝経験のある強豪との試合を1点差でものにしてきた。

 投手陣は速球派のエース右腕・坂井(3年)と、制球力が持ち味の左腕・畠中(同)の二枚看板。畠中や坂本(2年)が先発し、坂井が継投するパターンで相手打線を抑えてきた。坂井は今大会11回2/3を投げて無失点。捕手の熊谷(3年)が好リードで投手陣を支えている。

 打線は4番で主将の高橋(同)が東海大相模戦で今大会、初本塁打と復調の兆しを見せた。進塁打などで好機を広げる意識が徹底されていて、機動力もある。

 前日練習は、雨天により兵庫県淡路市内の室内練習場で実施。打撃フォームの確認やノックなどに時間を割いた。準々決勝で8回1/3を1失点と力投した畠中は「左側上半身にまだ張りがあるが、思ったよりは疲れはない」。高橋は「学校の最高成績と同じ4強まで来たので、歴史を塗り替える意識を持っていく。守備から流れをつかんでいきたい」と意気込んだ。米沢監督は「(9年前の4強進出時より)投手力は上。うまく継投で来られている」とチームを評価。神村学園について「うちと正反対の攻撃のチーム。去年から出ている選手が多く、経験値が高い」と話した。

 一方、2年連続4強の神村学園も強豪校に競り勝ってきた。木更津総合(千葉)との初戦は8―5、中京大中京(愛知)との2回戦は4―3と厳しい戦いになった。今大会躍進した大社(島根)との準々決勝では、選手が攻守で気迫を前面に出し、大社の勢いを止めた。

 投手陣は、エース左腕の今村(3年)と早瀬(2年)が軸。今村は1、2回戦、早瀬は3回戦で完投し、スタミナがある。大社戦は2人が継投した。打撃は4試合で計43安打、27得点と爆発力がある。これまで当たりがなかった4番正林(3年)は大社戦で終盤、貴重な追加点となる適時打を放った。

 小田監督は「正林に打点がついたのは好材料」とした上で、関東第一戦について「(普段から)3点までは射程圏内と思ってやっている。ものすごく強いチームだが、研究して何とか勝ちきりたい」と話した。(佐野楓、中村英一郎)

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