■パリパラリンピック 水泳男子50m自由形(S11・全盲)決勝(日本時間9月1日、ラデファンス・アリーナ)

全盲のスイマー、木村敬一(33、東京ガス)が50m自由形で、25秒98の1位でフィニッシュし金メダルを獲得した。21年東京大会100mバタフライに続き、2大会連続の金メダルという快挙を成し遂げた。

深くお辞儀をして入場してきた木村。スタート直後は横一線となったレース。中盤過ぎに木村が頭ひとつ抜け出し、そのまま逃げ切り1位でフィニッシュ。ゴール後、木村は右手を何度も突き上げ、喜びを爆発させた。自身の持つ日本記録を0秒07更新する25秒98の日本新記録での金メダル獲得となった。

病気のため2歳で視力を失った木村。それでも小さい頃は、自転車にスキーと何でも挑戦、ピアノの発表会ではビートルズの「Let it be」を弾いたことも。10歳から水泳を始め、パラリンピックには2008年の北京大会から5大会連続出場。これまで8個のメダル(金1、銀4、銅3)を獲得。18年4月から約2年間、アメリカで単身武者修行を行い、21年東京大会では100mバタフライで悲願の金メダルに輝いた。東京パラ以降、ロンドン・リオ五輪、200mバタフライで銅メダルを獲得した星奈津美さんをコーチに迎え、フォーム改善に尽力してきた。

木村は6日、連覇を目指し100mバタフライ予選に臨む。

■木村敬一(きむら・けいいち)
1990年9月11日、滋賀県栗東市出身。日本大学文理学部卒業。2歳の時に病気のため視力を失う。小学4年生で水泳を始め、2012年ロンドンパラリンピックでは旗手を務め銀・銅2つのメダルを獲得し、16年リオ大会では銀・銅合わせて4つのメダルを獲得。そして21年東京大会では100mバタフライで自身初となる悲願の金メダルを獲得した。

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