野球日本代表・侍ジャパンの前監督・栗山英樹さん(63)が8月31日、茨城県つくば市で講演した。県の主催。聴衆を前に、昨春のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でチームを世界一に導いた舞台裏を魅力たっぷりに語った。

 会場には親子連れが目立った。栗山さんは「必ずチャンスは訪れます。『自分がダメ』と思わないでください。生きているだけで価値はある」と子どもたちにメッセージを贈り、講演を締めくくった。

 野球部に所属するつくばみらい市立伊奈中2年の那珂(なか)巧生(こうき)さん(13)は質問の時間に、選手として伸び悩んでいると打ち明けた。栗山さんは監督時代、伸び悩む選手に「良かったなあ」と声をかけたことを明かし、「うまくいかないことがあるから、工夫したり頑張ったりできる。成長するきっかけはそこにある」。

 助言を聞いた那珂さんは「はい!」と大きな声を会場に響かせた。米・大リーグで活躍する大谷翔平選手ら名選手を育てた言葉が、野球少年のグラブにしっかりと届いていた。(鹿野幹男)

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