難民選手団が初のメダル獲得

紛争や迫害などから逃れるため、祖国を離れて難民となった選手たちで作る難民選手団は、2016年のリオデジャネイロ大会で初めて結成され、オリンピックとパラリンピックとも過去の2大会ではメダルの獲得がありませんでした。

しかし、今回のパリ大会では、オリンピックのボクシング女子75キロ級で初めて銅メダルを獲得したほか、パラリンピックでも、8月29日のテコンドー女子47キロ級でアフガニスタン出身の選手が銅メダルを獲得しました。

陸上男子400mでカメルーン出身のアタンガナが銅

一方、男子では陸上400メートル、視覚障害のクラスで、開会式で旗手を務めたカメルーン出身のアタンガナ選手が予選を勝ち上がり、1日の決勝に臨みました。

アタンガナ選手は子どもの頃に失明し、前回の東京大会にカメルーン代表として出場したあと、母国の政情不安を理由におととし、難民としてイギリスに逃れました。

レースでは、同じロープを握るガイドランナーと息の合った走りで最終コーナーまでトップを争い、自己ベストを更新する50秒89のタイムで3着でフィニッシュすると、パラリンピックの旗を掲げ、難民選手団の男子選手として初めてとなる銅メダル獲得を喜びました。

レース後、アタンガナ選手は「難民であっても、多くのことができるとみずからを信じ、前向きでいることが大事だ。次の大会は、表彰台のさらに高い場所に立つ」と意気込みを語りました。

UNHCRは世界の難民、または同じような状況にある人は合わせて、およそ4300万人いるとしていて、アタンガナ選手たちの活躍についてSNSに投稿し「夢には限界がないことを証明した」として困難を乗り越えて勝ち取った栄光をたたえています。

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