広島県内の高校で女子野球部があるのは3校(佐伯高校・広陵高校・山陽高校)ですが、中でも佐伯高校がある廿日市市は、2020年に全日本女子野球連盟と提携し、「女子野球タウン」に認定されました。

今では「佐伯高校といえば女子野球」というくらい学校の象徴となっていますが、そんな女子野球部の3年生が、合同引退試合を行いました。

「せーの、佐伯魂!」―。1日、三次市甲奴町のカーター記念球場で開催された合同引退試合は、佐伯高校・広陵高校・山陽高校の女子硬式野球部の3年生を送り出す親善試合で、ことし初めて開催されました。

実行委員 佐伯高校 3年 井木茜里 さん
「夏の全国大会でちょっと悪い結果を残した人も何人かいるので、今回の試合を通して楽しむことに全力を注いでくれてかなと思います」

佐伯高校 3年 主将 白石帆花 さん
「今は楽しみですけど、たぶん終わりごろになると、さみしくなると思う」

キャプテンの 白石帆花 さんは山口県出身。小学生から始めた野球を高校でも続けるため、越境して佐伯高校に進学しました。

白石帆花 さん
「公立高校だし、野球をする環境が整っていたので選びました。女子野球部だけが全面、グラウンドを使えるところとか、佐伯って地域の支援が大きくて、部費とかそういうのを寄付してもらったり、たくさん支えられています」

白石さんをはじめ女子野球部には廿日市市出身の部員はゼロ。遠くは関東からやって来ている生徒もいます。

全員が地域の民家で下宿生活をしているため、仲の良さは折り紙付き。3年間で築いたチームワークで夏の全国大会では優勝候補の強豪相手にタイブレークの接戦を演じました。(佐伯高 1-2X 京都明徳高)

そんな彼女たちの引退試合に涙は似合いません。活躍してもミスしても1つひとつのプレーに笑顔が弾けます。

白石帆花 さん
「笑顔が絶えなくて、言い合いをしたり、トラブルもたくさんあったけど、明るくていいチームだなって思っています」

試合で印象的な姿を見せたのが、三原出身のキャッチャー・北村さん。佐伯高校で白球を追い続けた3年間でクラブ活動や下宿生活を通して大きく成長することができたといいます。

父 北村慶介 さん
「(佐伯高校に入学して)自立…、自分でなんでもやるようになったことですかね。夏の最後の大会、今まで野球をやらせてくれてありがとうと言われて、ちょっとぼくももらい泣きしました」

合同試合は得失点差で広陵高校が優勝。しかし、試合を通して印象的だったのは、どの生徒も笑顔で心の底から野球を楽しんでいる姿でした。そこに今回の大会の意義があったのです。

佐伯高校 3年 北村羽菜 さん
「今、やり切った気持ちでいっぱいです。やっぱり野球って楽しいものなので、心の底からみんなが野球を楽しめたので、そうなったんだと思います」

佐伯高校 3年 主将 白石帆花 さん
「各チームの3年生が団結して戦い合っていることがめっちゃ幸せで楽しかったです。礼儀や地域とのかかわり方などを次のステージに行っても、それを続けていこうかなと思っています」

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坂上俊次 アナウンサー
すそ野が広がっている女子野球ですが、9月22日(日)23日(月・休)は、HIROHAI 佐伯総合スポーツ公園で廿日市市女子野球タウンフェスティバルが開催されます。22日はウエスタンリーグ公式戦、23日は女子高校野球の強豪・大阪の履正社高校を招いて佐伯高校や廿日市市女子選抜チームが対戦することになっています。

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