日本の女子プロゴルフ4大公式競技の一つで、最も歴史ある「ソニー 日本女子プロゴルフ選手権大会」が5~8日、名護市のかねひで喜瀬カントリークラブで開催される。沖縄での開催は初めて。同CCの特長や、トッププロが躍動する大会の見どころなどを紹介する。同大会は主催・日本女子プロゴルフ協会、特別協賛・ソニーグループ。(企画・制作 沖縄タイムス社営業局)
[金秀グループ実行委員会インタビュー]
男子プロゴルフのメジャー大会をいくつも成功させてきた沖縄で、ついに女子大会が実現する。男女のメジャートーナメントが開催される充実した受け入れ環境があることは、沖縄の魅力をより高めてくれる。受け入れコースの喜瀬CCを運営する金秀商事がつくる同大会実行委員会の知念園子事務局長と、コース・植栽管理部の東淳也部長に、大会への取り組みやコースの特長、思いなどを聞いた。
芝に特長 高い競技性
コース・植栽管理部 東淳也 部長
コース・植栽管理部 東 淳也部長勝負の鍵握る14番 セッティング注目
-喜瀬CCの特長は。
グリーンで言えば県外の一般的なベント芝と違い、ハワイのゴルフ場でよく見られるパスパラム芝を使っている。国内のゴルフ場ではおそらく当CCと県内にある米軍基地内のゴルフ場だけだと思う。色味がとても鮮やかでリゾート向きだ。
プロ選手に言われた特長は芝目が読みにくく、触ると柔らかいが予想外に転がる場所もあって迷うと。トリッキーな芝だそうだ。
環境面でも工業用水を部分的に使いながら育てることが可能だ。夏場は成長が早いため、トーナメント用に仕上げるには慎重に整備を進める必要がある。
-コースの特徴は。
広くゆったりとした比較的打ちやすく攻めやすいコースだ。ただし上級者ほど戦略的に難しいと言う人が多い。リゾート性と競技性の共存をコンセプトにしていて、競技者ほど芝目やラフの攻め方が難しいという話を聞いたことがある。
今大会の特徴的なホールは14番ホール。山崎千佳代プロが予選と決勝で攻め方を変えたコースを考えている。優勝に向けて鍵となるホールになると思う。
-本番への意気込みを。
日本女子選手権が初めて沖縄で開催されるということで、ふさわしいコース作りを進めている。選手たちが最高のコンディションで伝統ある大会に挑めるよう、残りの期間でベストを尽くして準備していく。
実積に誇り持ち臨む
金秀グループ実行委員会 知念園子 事務局長
金秀グループ実行委員会 知念 園子事務局長女性参画も意識し大会事務局を運営
-事務局はどのような体制でしょうか?
2023年より金秀グループ実行委員会事務局長を務めております。事務局はグループ内で、協賛を募る販売企画委員会と大会をPRする広報委員会の2つを立ち上げています。両委員にはグループ各社から女性社員を中心に選出し大会運営へ参画してもらっています。事務局長として、大会にかかわる社内外のさまざまな取りまとめ役を務めております。
-誘致の経緯や評価された点は。
これまで開催してきた男子シニアツアー開幕戦の「金秀シニア沖縄オープン」や、日本女子協会のステップ・アップ・ツアー「かねひで美やらびオープン」の実績が認められたのだと感じています。男子メジャー大会の日本プロゴルフ選手権を2007年と17年に成功できたことも大きいです。大会経験のある熟練のコーススタッフがいることも強みです。
2年前に開催が決まり、去年の6月に事務局を立ち上げました。県内初の大きな大会をお迎えできるということで、さらに現場も緊張感を持って取り組んでいますし、何より、これまでの経験を生かしていきたいと思っています。
-知念事務局長の考えるゴルフと喜瀬CCの魅力は。
同じメンバーで5~6時間コースを回るため、コミュニケーションの場となることがゴルフの大きな魅力の1つだと感じています。喜瀬CCの魅力は山と海を楽しめる景観です。会長の呉屋守將も自然や植物が大好きで毎週視察に訪れます。グループ全体で力を合わせて作り上げているゴルフ場だと感じています。
-大会期間中の取り組みは。
期間中は瀬喜田小と久志小の児童を社会科見学として招いています。さまざなまな職業を見てもらい、ボランティア体験もしてもらう予定です。児童たちは職業体験で社会を学び、私たちも大会を知ってもらう契機となり、地域と一体になって取り組んでいます。
プロの解説聴ける 観客サービス用意
観客向けには専用アプリからコースの攻略方法が聴けるサービスがあります。コースをセッティングした山崎千佳代プロが解説するので楽しめると思います。
選手には補食サービスの調理に弊社社員が携わっています。メニューは協会で決めますが、地元の食材を使った軽食などを準備して選手が力を発揮しやすい環境づくりのお手伝いができればと考えています。
-開催へ向けた意気込みを。
喜瀬CCで歴史ある大会が開催できることに感謝しています。これまで培ってきた施設やコースの管理、ブランディングの集大成として誇りを持って臨みます。絶対に成功させますので、皆さまのご協力をよろしくお願いします。
大会成功へ意気込む東さん(右)と知念さん=8月19日、名護市・かねひで喜瀬CC女子メジャー 沖縄初開催 賞金総額2億円 132人競う
女子プロゴルフ国内4大大会の沖縄開催は初めて。「ソニー 日本女子プロゴルフ選手権大会」の賞金総額は2億円で、優勝賞金は3千6百万円。同大会は1968年に女子プロゴルファー日本一を決める大会としてスタート。県勢は2006年に宮里藍さん、09年には諸見里しのぶプロが優勝した。現在はアジア各国の強豪を招き、「女子プロゴルファーアジアナンバー1」を決める大会に進化している。海外選手や歴代優勝者、ほかのメジャー大会で過去3年以内に優勝した選手など、トッププロが熱戦を繰り広げる。
意気込む県勢 活躍期待
諸見里しのぶ
プロアマ戦の1番でティーショットを放つ諸見里しのぶ=琉球GC(小宮健撮影)地元名護市で開催されるメジャー大会に出場できることは、私のゴルフ人生の中でも特別な試合になると思っております。
宮里美香
アプローチの距離感を確かめる宮里美香=琉球GC(古謝克公撮影)沖縄で女子のメジャーは開催されたことがなく、とてもうれしく思います。上位争いして盛り上げられるよう頑張ります!
千葉華
通算2アンダーで11位タイの千葉華。1番でティーショットを放つ=かねひで喜瀬CC(名護大輝撮影)とても楽しみな気持ちでいっぱいで、応援に来てくださる皆さまに良いプレーを見せられるよう精いっぱい頑張ります!!
新垣比菜
2番、ティーショットを放つ新垣比菜(小宮健撮影)沖縄でのメジャー初開催ということもあり、とても楽しみです。県勢として上位争いに加われるよう試合に臨みたいです。
荒川怜郁
1番、荒川怜郁がセカンドショットを放つ=琉球GC(金城健太撮影)現役中に地元でメジャーが開催されるというのは、一生に1度あるかないかの機会。この巡り合わせに感謝したいです。
仲宗根澄香
17番でティーショットを放つ仲宗根澄香(名護大輝撮影)父の故郷で日本女子プロ最高峰の試合。うれしいです!長く応援して頂いている金秀グループ様に結果で恩返ししたいです。
JLPGA小田美岐副会長 ぜひ会場で 生の感動を
JLPGAの小田美岐副会長-大会開催について。
JLPGAツアーとしては例年沖縄で開幕戦を迎え、その年のツアーの盛り上がりを想起させる熱い戦いが繰り広げられています。
今年は、女子プロゴルファーナンバーワンを決めるJLPGAで最も権威あるメジャー大会が、「ソニー 日本女子プロゴルフ選手権大会」という新たな大会名となり、名称変更後の初開催が女子メジャー初上陸の沖縄で行われることになりました。私達関係者一同、胸が高鳴る思いです。
-近年の日本女子プロゴルフ選手権大会の状況は。
優勝者はここ数年どんどん若年化していて、一昨年優勝の川﨑春花さんが初の10代でのチャンピオンになり、最年少優勝記録を塗り替えました。若手実力者の台頭が著しいことは事実ですが、プロテストを通過してまだメジャーの重みを知る前に優勝してしまおう! というのが最近の傾向と言えそうです。
-今大会の見どころは。
ワールドレディスサロンパスカップにアマチュアで優勝した韓国の李暁松(イ・ヒョソン)さんが、JLPGAツアー優勝選手に与えられるプロ入り資格を行使し、先日JLPGAに入会が認められ、今大会でプロデビューします。アジアナンバーワンの大会を目指すべく、世界ランキング上位のアジア選手の出場枠を設けていて、今年はタイ、フィリピンからも選手が出場します。よりグローバルな戦いになると期待しています。
-県勢選手について。
沖縄勢は、今年嬉しいカムバック優勝をとげた新垣比菜さん、プロ2年目で持ち前の飛距離を武器にスケールの大きなゴルフで将来が期待される荒川怜郁さん、ママになって戻ってきた宮里美香さん、プロ2年目の千葉華さん、地元開催ということで本大会2009年チャンピオンの諸見里しのぶさんらが出場。地元でどんなプレーを見せてくれるか楽しみです。
-沖縄のゴルフファンにひとこと。
沖縄のゴルフファンの皆様は、毎年開幕戦のダイキンオーキッドレディスにも大勢の方が会場に見に来てくださり、選手にあたたかい声援をくださっています。今回は公式戦ということで、選手の顔つきにもピリピリしたムードが感じられると思います。緊張の中から生まれるスーパーショットや、最後のパッティングを決めてメジャーチャンピオンになった時の選手の弾けるような笑顔を、ぜひ会場に足を運んでご覧になっていただきたいと思っています。
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