(5日、プロ野球 読売ジャイアンツ3―0東京ヤクルトスワローズ)
巨人の戸郷翔征は、覚悟を決めていた。「何が何でも勝つ」と。
- 巨人・戸郷のフォームの秘密 アーム投法、マウンドの振る舞いの原点
激しい優勝争いのまっただ中、迎えた今季初の中4日での先発登板。リーグ制覇を占う9月、通常の中6日から登板間隔を短くして託された。「一球一球、初回から飛ばしていくつもりだった」
力強い直球がさえ、一回から得点圏に走者を背負っても、切り抜けていく。五回には1死二塁とされたが、ヤクルトの8番沢井廉に対しては、決め球のフォークを連投して空振り三振に。続く山野太一も遊ゴロに打ち取った。
粘り強い投球に、4番が応える。「戸郷が頑張って0点に抑えてくれていたので、どうにか先に点を取ってあげたかった」。五回、岡本和真が右方向に先制3ランを放り込み、主導権を握った。
24歳の右腕は7回103球で安打を1本しか許さず、無失点と盤石だった。前回の反省を生かした10勝目と言える。
8月31日の阪神戦の六回。勝負を急ぎ、直球を3球続けて佐藤輝明に逆転3ランを許した。「あそこの1球を変えたら結果は違った」。この日は投げ急ぐことなく、丁寧にコースを突いてヤクルト打線を封じた。
中4日での投球を終え、「疲労もあまり感じなかった」。首位浮上に導いた若きエースはさらりと言った。10日からは敵地で首位を争う広島との3連戦。「次(投げるの)は広島だと思う。いいピッチングができれば」と山場を見据えた。(堤之剛)
選手らの試合後のコメント
阿部監督(巨) 岡本和の決勝3ランについて「なかなか打線が機能していなかったので、ああいうホームランは大きい」
吉川(巨) 出身地での岐阜での試合開催で2安打。「(岐阜では)年に1回しかない試合ですけど、声援がすごい力になりました」
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