広島カープ 中村奨成 選手
「3連覇をしたとき、ちょうどぼくが入って1年目のときでしたっけ…、そのときにテレビで見ていましたので、その瞬間を。この輪に加わりたいなっていう思いをずっと持って…」
2軍で腐らず、努力を重ねた 中村奨成 。首位を争う終盤戦のまっただ中、1軍にいる “25歳” に話を聞いた。
中村奨成 選手
「まだまだ、いっぱいいっぱいなところはあるので、もう少し余裕を持ってやりたいなっていうのはあります」
プロ7年目にして外野手登録に変更され、“一からの再スタート” を切った中村奨成。8月11日、今シーズン3度目の1軍昇格を果たし、課題と充実感を感じながら日々を過ごしています。
中村奨成 選手
「ことし、打席も多く立たせてもらっている中でその日、その日に『ここはダメだったな』とか『ここはよかったな』っていうのも多く出てきたので、そのへんをなくしていけるようにやっています」
首脳陣からは去年の段階で「2軍では頭一つ抜けている」と言われ続けていただけに今回、得たチャンスで確実に1軍定着を目指します。
そんな中、守備でも打撃でも中村奨成のお手本になっている先輩がいます。
中村奨成 選手
「捕手から外野手になって、また一からスタートっていうところで、今はすごい、お手本のような先輩がセンターにいるので、アキ(秋山翔吾)さんに助言をもらっています」
過去3年間にもレフトの守備を守る機会はあったものの、今シーズンからは完全な外野手転向―。もう逃げ場はありません。
外野手として6度のゴールデングラブ賞も獲得した頼れる先輩・秋山翔吾 からその知識をぞんぶんに吸収します。
中村奨成 選手
「試合中でいえば、ポジショニングだったりとか風の状況とか、いろいろ逐一、アキさんがジェスチャーなりをしてくださるので、横を見ればアキさんがこっちを向いて、いろいろ言ってくださるので、そこらへんはぼく、守っていて、すごく心強いです」
そんな中村奨成の守備の成長を感じさせるビッグプレーが飛び出したのは、8月17日のこと。1対1同点の5回ウラ、ファウルフライをダイビングキャッチしました。
中村奨成 選手
「打てていなかったので、あのとき。なんとか守備でという思いでやっていたので、本当に一生懸命追っかけていました」
― かなり打球も切れながらフェンスも気になるところがあったと思うんですが?
「壁とかも一切、気にしてもいなかったので。そのあと、アカさん(赤松真人 コーチ)に『フェンス、見えてた?』っていう話をされたときに『そういえばフェンス、全然気にしてなかったわ』と思って…」
外野守備の着実なレベルアップを図る中村奨成ですが、攻撃面でも1軍レベルへの成長を見せています。その中でも特に印象に残っている “2つの打席” があったと振り返ります。
― バントは、プロに入って1軍では?
「決めたことないですね。はい。なので、バスターエンドランなんてたぶん、なおさらないですね(笑)。いや、本当にぼくのこの1軍生活の中でも初めてのサインといっても過言ではないので、それを一発で決められたっていうのは、少しはちょっと貢献できたかなっていうのは思います」
さらに最も印象に残っていたのは、8月12日。3度目の1軍昇格後、初めてのスタメンに名を連ねた地元での一戦でした。
中村奨成 選手
「3度目の昇格で上がってきて、ポンポンとスタメンで使ってもらって、なんとか結果を残したいっていう思いで、あのときもやっぱり先輩方がいい形でつないでくれたので、なんとか続けるようにっていう思いで、あのときはいました」
DeNA戦、1番・秋山から打線がつながり、勝ち越しに成功した3回、2アウト・3塁・1塁で中村奨成に打席が回ってきました。
実況 小宅世人 アナウンサー
「マウンド上、京山が中村奨成に対して1ボール・1ストライクから3球目を投げました。打ちました。打球が上がった。レフト、下がっていく、下がっていって、(打球は)フェンスに当たりました。その間に一塁ランナーは二塁を蹴って三塁に、中村奨成は二塁到達。中村奨成がチャンスで1つ、結果を出しました」
渾身の力を込めて振り抜いた打球は、自身、2年ぶりの1軍での長打。そしてタイムリーとなりました。
中村奨成 選手
「ここ数年、こんないい当たりを打った覚えがないので、ちょっとうれしかったですね」
広島出身のドラフト1位―。期待と重圧を背負い続けた男も25歳に。ポジションや背番号は変わるも、胸に秘めた “変わらぬ思い” もあります。
中村奨成 選手
― ファンの方は特にこの夏、思い出す7年前の甲子園のイメージ。あっという間ですね。
「もう7年…、早いですね。あのときがピークだって言われないように、やっぱり残りの野球生活をやっていかないといけないと思うし。なんとか優勝に貢献できるように1試合1試合、自分でできることを一生懸命やります」
◇ ◇ ◇
RCC野球解説者 天谷宗一郎 さん
もう、ここからですよ。今までとは違った感覚であったり感情っていうのが芽生えていると思うんですけど、それは野球選手としてひと皮もふた皮もむけたからですよね。ここからが勝負だと思うし。今の気持ちを大事に持って戦っていってほしいと思います。
石田充 アナウンサー
もともとは “打てるキャッチャー” として入団したわけなんですが、もうキャッチャー道具は1軍には持ってきていないということで、あらためて外野1本で今もがんばっているということなんです。
高校時代は甲子園でいろんな記録を打ち立てながら準優勝、ほかのチームの胴上げを見たんですが、カープに入ってから1年目、3連覇の胴上げをテレビで見ていたと。今はもう、この1か月で胴上げの輪に加われるかもしれないっていうことなので、1試合1試合、どんな形でもいいから貢献したいと言っていました。
天谷宗一郎 さん
今、この時期にいることを幸せに感じて、意気に感じてプレーしてほしいなと思います。
青山高治 キャスター
経験としてもすごく大きいですよね。
天谷宗一郎 さん
1試合の怖さも知っていると思うんですけれども、それは自分をはね上げますから。
石田充 アナウンサー
同期入団はヤクルトでいうと 村上宗隆 選手という年代ですから常に比較されて、たいへんなところもあったと思いますが、脚力もあって守備力もありますから。
天谷宗一郎 さん
そうなんですよ。どんどんレベルアップしていますから、困ったときに「よし、奨成行こう!」って言われるような存在になってほしいなと思います。
(RCC「イマナマ!」カーチカチ!テレビより)
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