来年、東京で開催される世界陸上。開幕まで1年となった13日、都内でイベントが行われた。34年ぶりとなる東京開催。来年9月、世界のアスリートたちが国立競技場に集結する。注目は、パリオリンピック™で日本女子フィールド種目初の金メダルを獲得したやり投・北口榛花(26)。話題となったあの寝転びポーズにも金メダル獲得の秘密があった。

日本初の偉業を成し遂げた北口。しかし、ここまでの道のりは不安との戦いでもあった。

北口「シーズン初めとかは誰が味方で誰が敵か分からないくらいな感じだったんですけど。それでも自分の感覚だったり自分がやりたい事を信じ続けてくれる人がいて、支えてくれる方々がいて」

チーム北口

昨年、世界一に輝いた北口を祝う会。実は、ここに集まったメンバーこそ北口を支え続けているチーム北口なのだ。練習拠点にしているチェコにも帯同し、日常生活からもサポートしている専属トレーナーの上野真由美さんなど各分野のエキスパートが集結している。

あの〝寝転びポーズ〟はチーム北口が考案

その一人がチーム北口で、身体のケアを専門としている東京有明医療大学の小山浩司准教授だ。実は、話題となったあの寝転びポーズについて・・・。

小山「実はあれ(寝転びポーズ)は私も含め北口選手に関わっているトレーナー、チームで考えました」

そう、あの可愛らしい寝ころびポーズを考案したのは、まさにチーム北口だったのだ。このポーズ誕生までには、ある秘密があったのだ。

北口と小山浩司准教授(左)

小山「北口選手がいわゆる一般的に言う猫背の状態であった。競技中に用意されている椅子に座りますと北口選手自身が丸まってしまう。猫背を改善する方向にもっていくとパフォーマンスも上がるというのが北口選手から私も教えていただいた」

北口を支える特別な椅子

猫背について相談を受けた小山准教授は、対策を練った。最近の北口を見てみると、背筋がピーンと伸びキレイな姿勢が保たれている。どのように改善したのか、その秘密は椅子にあった。正しい姿勢を身に付けるためにチーム北口が製作したもので。普通の椅子と違い、前方に向かって18度の傾斜がついていて、座るだけで姿勢が正される、まさに、特別な椅子なのだ。

18度の傾斜がついた特別な椅子

小山「一番良い姿勢を保つためにはこの椅子だということで、日常生活から取り入れていただいているというような状況です」

ところが、1つ大きな問題が生じた。大会のルール上、フィールドに椅子を持ち込めなかったのだ。しかし、そこはエキスパートが集結するチーム北口、隙はなかった。椅子が使えない場合に備えて考えられていたのが、あの話題となった寝転びポーズだったのだ。

小山「おそらく最初は皆さん何やっているだろうというのがあったと思うんですが、立った姿勢で胸を張っていただいて姿勢を正すというのが我々一番のベストだと思っておりますが、ずっと立っているわけにもいきませんので、姿勢が崩れないためにはどうしたらいいか試行錯誤を重ね、寝そべった状態で少し頬杖をついていただいた方が(正しい姿勢に)非常に近い」

サポートを受け見事金メダルに輝いた北口。1年後の東京世界陸上に向けてもチーム北口は彼女を支え続ける。

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