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ドジャース大谷翔平選手の1週間を振り返ります。WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で優勝を飾った日本人選手4人が同時先発出場するという豪華競演が実現しました。こうしたなか、ロバーツ監督は大谷選手の投手復帰の可能性に言及しました。

■大谷特大アーチ 歴史的看板を直撃!

9日に行われたガーディアンズ戦の4回裏、大谷選手は第2打席で詰まりながらもセンター前にポトリと落ち、自己最多を更新するシーズン161本目のヒットを放ちました。

この日も期待されるのは、やはりホームラン。8日のガーディアンズ戦では、ライトポール際に特大ファウルを放っていました。

5回裏の第3打席、甘く入ったボールを捉えると前日と同じライト方向へ。ポールを大きく越えて看板にあたりスタンドイン。最高到達点はおよそ36メートル、名古屋城とほぼ同じ高さということです。飛距離137メートルの特大46号で、キャリアハイとなる101打点を記録しました。

大谷選手
「昨日もフェアになるんじゃないかと思って切れたので、どうかなと思いましたが、しっかりと残ってくれて良かったです」

実は、ホームランが直撃した看板は1955年にドジャースが初めてワールドシリーズを制覇した記念に作られたもので、今後も期待せずにはいられない一撃となりました。

10日のカブス戦前、大谷翔平選手が深くお辞儀をした先には、今永投手の姿がありました。その後、山本由伸投手も加わり、WBC優勝メンバーが集結しました。

大偉業へのカウントダウンが連日注目される中、3回裏、大谷選手はフォアボールで出塁すると、二塁へ素晴らしいスタートを切り、今季47個目の盗塁を決めました。

さらに5回裏、センター前に運び、出塁し盗塁のチャンスがやってきます。しかし、一塁ランナーの大谷選手がスタートを切るも、ベッツ選手がヒッティングし、大谷選手は悠々と三塁へ。

この時、現地のアナウンサーは「ベッツ!歴史が生まれる邪魔をしないで!盗塁成功だったのに!」と実況しました。

大谷選手は7回裏にもヒットを放ち、この試合で2安打1盗塁を記録。「50-50」へ、また一歩前進です。

■古田解説 山本が魅せた奪三振ショー

11日のドジャースとカブスの一戦では、日本人選手4人が先発出場し、豪華競演となりました。

遡ること2007年、マリナーズのイチロー選手、城島健司選手、ヤンキースの松井秀喜選手、井川慶投手が同時に出場して以来、17年ぶりの歴史的一戦となりました。

そして、山本由伸投手と今永昇太投手が、日米通じて初の投げ合いとなりました。

山本投手は、およそ3か月ぶりにメジャーのマウンドに復帰。今月2日には古田さんが現地取材で、ブルペンで投げ込む姿をチェックしていました。

古田さんは「もう完璧だよ、ほぼ100%に戻ってきてるんじゃないですか」と高く評価していました。古田さんが「順調ですか?」と問いかけると、山本投手は「はい、いい感じに」と笑顔で答えました。

山本投手は、まさに言葉通りのピッチングを見せます。1番のハップ選手を落差のあるカーブで、三振を奪います。このカーブは、ドジャースのレジェンドであるカーショー投手からアドバイスをもらったということです。

さらに、2番のスワンソン選手をスプリットで連続三振。そして、3番の鈴木誠也選手には外角いっぱいの157キロのストレートで三者連続三振という上々の立ち上がりを披露しました。

1回裏、打席に入った大谷選手はマウンドに向かってニコリ。これには、今永投手も笑顔で応えます。4月の初対決ではノーヒットに抑えられています。初球、高めのストレートを打ち上げ、ショートフライでした。

この後、今永投手は2番ベッツ選手をセンターフライ、3番フリーマン選手をレフトフライで、ドジャースのMVPトリオをわずか4球で打ち取ります。

一方、山本投手は2回表、キレキレのスプリットを駆使し、1回から4者連続三振を奪いました。

古田さん
「(Q.山本投手の復帰戦、素晴らしい内容でしたね)そうですね、本当に良いピッチングだったと思います。もちろんストレートのスピードも良かったですし、変化球もすごく良かったと思います。でも、やはり一番は、腕をしっかり振れているところです。しっかり腕を振って投げられているので、変化球も手が出てしまいます。そういう意味では、本人もかなり自信を取り戻せるようなピッチング内容だったと思います。腕が振れていると、打者はついつい手が出てしまいます。カーブも良く曲がり、スプリットもすごく良かったです」

復活を印象付ける見事な奪三振ショーに山本投手は「今年の中でもトップにいいくらいの感覚で投げられた」と語りました。

5回裏、大谷選手と今永投手のこの試合3度目の対決。大谷選手はライトへ大きな当たりを放ちましたが、フェンス手前でライトフライに終わりました。この日、大谷選手は3試合ぶりのノーヒットとなりました。p

今永投手
「(バットの)先っぽだったので、これが入ったら、ちょっと勘弁してくれよと」 今永投手はその後も粘り強く投げ、3失点で7回を投げ切ります。

2点を追うカブスは8回表のチャンスで、鈴木選手がセンター前にタイムリーを放ちました。さらに、ドジャースの中継プレーでミスが出て同点に追いつくと、カブスはこの回、一挙5得点を奪い逆転。鈴木選手は3安打でチームの連勝に貢献し、今永投手は今季13勝目を手にしました。

今永投手
「日本代表の時にダルビッシュ有さんに言われたことがあるんですけど。『素晴らしい選手と野球をやっていると自分の中のリミットが外れて、自分の知らない力が出る瞬間がある』と言われたことがあって。まさに今日、山本投手、大谷選手、ドジャースの打線を抑えるために、チームが勝つために力が出たんじゃないかと思います」

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■大谷47号!愛犬デコピンポーズも

■大谷47号!愛犬デコピンポーズも

12日のカブス戦で、同一カード3連敗はなんとか阻止したいドジャースでしたが、大谷選手は1回から全開です。自己最多を更新する47号先頭打者アーチで、2位に10本差をつけ、リーグトップを独走です。これで「47-47」を達成しました。

ベンチに戻ると、かめはめ波からの愛犬デコピンポーズが飛び出します。打球角度は19度で、今シーズンの大谷選手が放ったホームランで最も低い超低空弾でした。これでメジャー通算218本目となり、秋信守(韓国)が持っていたアジア出身選手最多ホームランに並びました。

さらに2回裏、大谷選手がフォアボールで出塁すると、48個目の盗塁成功。「50-50」へ数字を積み重ねます。

3回表カブスの攻撃では、同学年の鈴木選手も負けじと、日本人メジャーリーガーでは松井秀喜さん、大谷選手に次ぐ2年連続20号を放ちました。右バッターでは初の快挙です。これで2点差に迫りました。

追いすがるカブスに立ちはだかるのは、大谷選手。ランナー2、3塁のチャンスで迎えた第3打席で、大谷選手が放った打球は右中間に抜けた3塁ランナー・マンシー選手に続き、2塁ランナー・ロハス選手も生還!勝負強さを見せ2点タイムリーで104打点目、ランキングでも再びリーグトップに立ちました。

その後、互いに点を取り合い、ドジャースが1点リードで迎えた8回裏、5番エドマン選手がこの日2本目となるホームラン。2試合連続の1試合2本塁打という大爆発に、ベンチの大谷選手も思わず万歳で喜びを表しました。

9回表、ドジャースの6番手コペック投手が三者連続フォアボールでノーアウト満塁の大ピンチを迎えます。5番のパレデス選手にライトへの犠牲フライを許し、2点差に。

なおも1アウト2塁1塁の場面で、セカンドランナーの鈴木選手がスタートを切るも三塁タッチアウト。痛恨の盗塁失敗となりました。これで息を吹き返したコペック投手は、ピンチをしのぎ、ドジャースが逃げ切りました。

■ロバーツ監督 大谷の投手復帰に言及

14日のブレーブス戦前、大谷選手はトゥルーイスト・パークで、30メートルほどの距離をとってキャッチボールを行いました。

投手復帰への調整を重ねるなか、ロバーツ監督が大谷選手の投手復帰について注目発言をしました。本人に確認はしていないということですが、今後に注目です。

ロバーツ監督
「(Q.大谷選手が今シーズン中に投げる可能性はあるか?)『大谷選手が投げる可能性は』ということだが、可能性はある。確率はとても低いけど、ゼロではないと思う」

大谷選手は3回表、ライトポール際への大きな当たりがファウルとなり、この日はノーヒットに終わりました。「50-50」達成には、あと3本塁打・2盗塁。残すところ、あと15試合です。

(9月15日放送「サンデーLIVE!!」より)

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