2024年シーズンを「54-59」で終えたドジャースの大谷翔平選手(30)。調子上向きはいつから?結婚の影響も?記録づくしの1年をメジャー取材歴50年の福島良一さんと振り返ります。

「メンタルを言い訳にしたくない」と臨んだ前半戦

メジャーリーグ評論家 福島良一さん:
「ひと言で言うと、史上最高の打撃のシーズンだった。これ程様々な記録を作ったシーズンは、メジャーリーグの長い歴史でも記憶にない」

記録の始まりはドジャースへの移籍からでした。
【プロスポーツ選手史上最高額10年・約1015億円で契約】
ちなみに1年換算だと、巨人とソフトバンクを足した総年俸より上です。(巨人約37億円※推定/ソフトバンク約40億円)

2月には真美子さんとの結婚を発表。高校時代に書いた人生設計ノート通りにまた一つ夢を叶えました。
<人生設計ノート>
▼18歳⇒メジャー入団
▼21歳⇒ローテーション入り
▼23歳⇒WBC日本代表
▼26歳⇒ワールドシリーズ優勝/結婚

メジャーリーグ評論家 福島さん:
「メジャーでは昔から“結婚すると成績が上がる”と言われている。ヤンキースのジャッジ選手も結婚1年目にホームランを62本打ってアメリカンリーグの記録を作った」

そして迎えた3月20日(※日本時間、以下同様)の開幕戦。
真美子さんの前でシーズン初ヒット・初盗塁を記録しましたが、その後調子が上がらず3月は6試合でHR0本…。
<3月成績 ▼打率⇒.269 ▼HR⇒0 ▼打点⇒2 ▼盗塁⇒1>

史上最高額のプレッシャーや、通訳の事件などで「野球に集中しにくい状況だったと思う」という福島さん。
待望の初HRが出たのは4月4日、開幕9試合目でした。41打席目での第1号は、メジャー生活7年で最も遅い記録です。

大谷選手(4月4日):
メンタルを言い訳にはしたくはないので。やっぱりそこも含めて技術だと思ってますし、これを機にしっかり自分の打席を継続したいなと思っています」

その言葉通り、4月に入ると記録を連発。
13日には松井秀喜さんに並ぶ日本人記録【メジャー通算175HR】と、【日米通算1000本安打】を達成。
さらに24日の6号HRでは、【打球速度】191kmを記録し、ドジャースの球団記録を塗り替えました。
<4月成績 ▼打率⇒.352 ▼HR⇒7 ▼打点⇒17 ▼盗塁⇒4>
<5月成績 ▼打率⇒.312 ▼HR⇒7 ▼打点⇒19 ▼盗塁⇒8>

6月からは、チームメイトのケガで打順が1番に。打点が減るかと思いきや、打ちに打って6月だけで24打点。
27日には【10試合連続打点】で球団新記録を樹立しました。
<6月成績 ▼打率⇒.293 ▼HR⇒12 ▼打点⇒24 ▼盗塁⇒3>

7月のオールスターゲームでは日本選手初となる柵越えホームラン。またしても史上初の記録が生まれました。

メジャーリーグ評論家 福島さん:
「2021年、エンゼルス時代に初めてオールスターに出た時は先発ピッチャーで勝利投手になっているので、【オールスター史上初の勝利投手&ホームラン】を記録した」

<7月成績 ▼打率⇒.286 ▼HR⇒6 ▼打点⇒14 ▼盗塁⇒12>

後半戦9月19日は「伝説の1日」

オールスターが終わると、盗塁を量産。
8月4日には2つの盗塁を決め、【日本人初の30HR-30盗塁】を達成。
さらに、24日にはサヨナラ満塁HRを放ち、史上最速で【6人目となる「40-40」】
31日には【前人未踏の「43-43」】に到達しました。

9月に入ると、もはや“全てが新記録”となるひとり旅。
世界中が注目する中、「48-49」で迎えた19日は伝説の1日になりました。

まずは、盗塁を「50」の大台にのせると、49号2ランHR。さらに、次の打席で50号、その次の打席で51号と、3打席連続HRで【「51-51」に到達】
これまで「49」だった【球団のシーズンHR記録】も塗り替えました。

この日の「6打数6安打・3HR・10打点・2盗塁」という活躍はMLBの公式SNSでも公開され、再生数は驚異の約2600万回。
ちなみに、観客動員でも驚異的な数字になっています。

メジャーリーグ評論家 福島さん:
「スゴかったのが相手の本拠地での観客動員数。1試合平均の観客動員数が約3万6000人で、メジャー30球団中ダントツ。それはすべて大谷人気だといって過言ではない」

シーズン終盤は、連日の記録ラッシュ。
9月21日には、【1試合で「HR」と「盗塁」両方決めた試合数】が14となり、MLB史上最多記録を38年ぶりに更新。

【シーズン400塁打】(27日)はメジャーでは23年ぶりの記録で、イチローさん超えの【日本人最多盗塁】(28日)や、【シーズン130打点】(28日)という球団史上2人目となる記録も達成しました。

様々な記録を打ち立て、メジャー7年目にして初めてつかんだ地区優勝。一方、大谷選手の古巣・エンゼルスはというと…

メジャーリーグ評論家 福島さん:
「言いたくないんだけど、アメリカンリーグの西地区の最下位に落ちちゃいました。しかも、球団ワーストの勝率で。本当に大谷選手がいなくなって悲劇的なシーズンでした」

悲願のポストシーズンへ

そして9月30日に「54HR-59盗塁」でレギュラーシーズンを終えた大谷選手。
<シーズン成績> 
▼打率⇒.310(リーグ2位)▼HR⇒54(同1位)▼打点⇒130(同1位)▼盗塁⇒59(同2位)

ちなみに日本のプロ野球では、
▼広島が<チームで51HR>▼中日と阪神が<チームで39盗塁>
大谷選手はたったひとりでこれらの記録を超えてしまっています。

約1か月の長丁場となるポストシーズン、ドジャースは6日に初戦を迎えます。

メジャーリーグ評論家 福島さん:
「これからが本当の勝負。特に大谷選手はこれまで大舞台で活躍してきたので、MVPを独占して欲しい。そうなれば、間違いなくワールドチャンピオンです」

(THE TIME,2024年9月30日放送より)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。