松坂大輔さんも「すっげえボール!」とうなる投球をみせるのは、侍ジャパン初選出の阪神・才木浩人投手(26)。プロ8年目の今シーズンは、大きく飛躍を遂げました。
■プロ初先発…松坂さんと投げ合う
150キロを超えるストレート。ウイニングショットは189センチの長身から投げ下ろす、落差のあるフォーク。今シーズンの才木投手は、チームトップの13勝、防御率1.83とキャリアハイの成績を残しました。
松坂さん「どうですか、初めて日本代表に選ばれた心境は?」 才木投手
「日本代表の経験がなかったので、機会をもらえたのはうれしかったです」
実は松坂さんと才木投手、何かと縁があるのです。
1998年、夏の甲子園決勝で松坂さんがノーヒットノーラン達成(写真:朝日新聞社) この記事の写真才木投手が生まれたのは1998年。この年で思い出すのは、夏の甲子園の決勝で松坂さんがノーヒットノーランを成し遂げた“あの夏”です。
時は過ぎ、2018年。当時19歳、才木投手のプロ初先発で投げ合ったのが、なんと松坂さんでした。
松坂さん「あれ初先発?」 才木投手
「初先発です。僕の中では、松坂さんはメジャーですごく活躍された方。まさか初先発で同じマウンドに立てるっていうのは、すごいビックリしたし、良い経験をさせてもらいました。あと、えげつないレフト前打たれました(笑)」 松坂さん
「そのシーズン初ヒットを才木投手から」 才木投手
「打球、バリ速かったっす」 松坂さん
「すごく将来が楽しみなピッチャーだなと思いながら見てました」
次のページは
■大谷選手のHRではなく…松坂さんが目を見張ったシーン■大谷選手のHRではなく…松坂さんが目を見張ったシーン
そんな才木投手の名が、広く知れ渡った試合があります。去年3月、WBC本番前に行われた侍ジャパンと阪神の強化試合。最強メンバーが名を連ねるなか、話題の中心にいたのは大谷翔平選手です。
大谷選手の“衝撃の一打” その時マウンドにいたのは…(写真:朝日新聞社)大谷選手が片膝をつきながら放った衝撃の一発。この時マウンドにいたのが、才木投手でした。完璧に捉えられた、決め球・フォーク。その試合後のロッカールームで才木投手は、次のように話していました。
才木投手「普通だったら三振絶対してます。フォークを初見で、あんなに簡単に運ばれたのがマジで悔しい」
渾身の一球を打たれ、悔やむ才木投手。しかし、この試合で松坂さんが目を見張ったのは、別のシーンでした。
それが1回、才木投手と大谷選手の初めての対決です。3球続けてストレートを投げ、真っ向勝負で迎えた4球目でした。
なんと全球ストレートで、あの大谷選手から空振り三振を奪ってみせたのです。
松坂さん「あの打席は強く印象に残ってる。(才木投手の)一番良いボールは、僕はストレートかなと思ってる。才木投手の考えはどうですか?」 才木投手
「もちろん、ストレートは絶対に必要。真っすぐが、ストレートが第一に大事なボール」 松坂さん
「もう最優先に考えているボール?」 才木投手
「はい、絶対そうですね」 松坂さん
「理想のストレートってありますか?」 才木投手
「空振りが取れるストレートが、僕の中ではやっぱり一番いいボールかなと。感覚だったら、このおなかのあたりとか。リリースの瞬間に、一気に圧が高まる。(おなかのあたりに)『フッ!』って来る感じがあるんですけど。そういう感覚がある時はボールもいいですね」 松坂さん
「『このバッターに対してストレート良かった』という記憶はある?」 才木投手
「去年の開幕三試合目。DeNA宮崎さんに空振り三振取ったボール」
去年4月のDeNA戦、バッターは宮崎敏郎選手。ストレートで、空振り三振を奪いました。これが才木投手の理想とするボールです。
才木投手「振り遅れじゃないですけど、しっかりストレートを狙ってきた相手から空振りを取れた」 松坂さん
「完全にバッターの予想を超えた一球」 才木投手
「めちゃくちゃ良かったなと思いますね」
このストレートは、9日に行われたチェコとの強化試合でも早速威力を発揮しました。3球連続ストレートで、空振り三振。侍デビュー戦、打者9人相手に7奪三振を奪い、そのうち、なんと6つがストレートでの三振でした。
才木投手「ストレートがどれだけ通用するのか、すごく楽しみなので。どんどん投げて試してみたい。野球人生の中で、より良い成長ができるようにやっていきたい」
次のページは
■狙っても打てないストレート 国際大会では?■狙っても打てないストレート 国際大会では?
ヒロド歩美キャスター「才木投手の狙っても打てないストレート。プロの中でも投げられるピッチャーは少ないんですか?」 松坂さん
「少ないですね。先ほどの宮崎選手から三振を奪ったストレートは球速が146キロ。才木投手にしてはスピードはそこまで出ていないんですが、最後まで指にかかって素晴らしいボールです。ボールの回転数が高く、俗にいうキレのある球になっていて、バッターは当てることができないんですね。球速表示以上の威力を感じていたんじゃないでしょうか」 ヒロドキャスター
「これが国際大会のプレミア12ではどう生きると思いますか?」 松坂さん
「基本的に外国人選手はストレートに強いとは言われていますし、プレミア12でも確実にストレートは狙ってくると思います。9日のチェコ戦でも、バッターはかなりボールの下を振っているのが分かります。狙っても打てないストレートは大きな武器になりますし、外国人選手は得意なボールを空振りしたりファウルになると、メンタル的にも落ち込んだり、イライラするので。精神的にも優位に立てますし、相当有効になってくるんじゃないかと思います」 ヒロドキャスター
「狙っても打たれないストレートが勝利のカギになってくるんじゃないでしょうか」 大越健介キャスター
「松坂さんが才木投手の初先発で投げ合ったというので、ちょっとビックリしましたけど、あの時よりも成長していますか?」 松坂さん
「全然違います。比べ物にならないくらい成長しています」 大越キャスター
「それはストレートのキレとかですか」 松坂さん
「体も大きくなりましたし、力もついてきているという感じで全然違います。この時、対戦したら絶対に打てなかったです」 安藤萌々アナウンサー
「今回は若手も多いチームですが、国際大会初戦の難しさや大事なってくるところはどんなところですか?」 松坂さん
「強化試合は経験しているんですが、本番は球場内の雰囲気も変わってきますし、選手によっても入り方が難しくなってくる人もいるのかなとは思いますね」 ヒロドキャスター
「13日の初戦はバンテリンドームということで、日本にとってホームの空気があるかもしれませんが」 松坂さん
「そういう意味でも、戦いやすさというのは日本のチームにとっては有利になると思います」 世界野球プレミア12 オープニングラウンド
11月17日(日)日本vsキューバ よる6時34分
11月18日(月)日本vsドミニカ共和国 よる6時30分
テレビ朝日系列にて生中継 ※一部地域を除く
(「報道ステーション」2024年11月12日放送分より)
この記事の写真を見る鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。