ことしの全国高校ラグビー愛知県大会の決勝は、中部大学春日丘vs名古屋。ことしで4年連続同じ組み合わせとなった。しかし今年は“いつもと違う”。
準決勝の2試合が、近年まれにみる大接戦だったのだ。
中部大学春日丘は11年連続13回の花園出場を誇る強豪校。愛知では“敵なし”の状態だった。しかし、11月9日の準決勝。相手は西陵高校で、まさかの事態が。
「王者が準決勝でまさかの苦戦」
去年、同じ組み合わせで行われた準決勝では、春日丘が西陵を114対0の大差で破った。ことしも試合開始早々、春日丘がトライを。ワンサイドゲームになってもおかしくないスタートだった。
しかし、西陵がすぐさま反撃に出る。ゴール目前まで攻め込むと、春日丘の堅い守りをこじ開け、トライを奪い返し同点に追いつく。その後、春日丘と西陵は互いに点を奪い合う展開に。
そして、後半10分、西陵がこの日5つ目のトライを奪い31対31、ついに同点に追いつく。
『来年またある』という気持ちは 簡単にひっくり返される
この試合を春日丘の宮地真監督は「若さが出た」と振り返る。
この日の春日丘は15人のスタメンのうち3年生が4人だけ。一方の西陵は3年生が10人。部員の少ない西陵は3年生全員がスタメンに名を連ねた。3年生にとってはこれが最後の大会。
宮地監督は「3年生の思いが強く出る大会。『来年またある』という気持ちでは、簡単にひっくり返される」と話す。それが出たのがこの西陵戦だという。
「いまの2年生は歴史を変える代」
準決勝、最後は地力で勝る春日丘が終盤にトライを重ね55対31で決勝進出を決めた。
2年生が主体のことしのチームについて、宮地監督は「いまの2年生は歴史を変える代だと思っている。精神が整って、身体ができて、チームとしての一体感ができれば」と期待を寄せる。12年連続14回目の花園進出へ慢心はない。
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