アメリカンフットボールは、関東と関西の秋季学生リーグが終了。全日本大学選手権決勝『甲子園ボウル』を目指す戦いがいよいよ今週末から本番を迎える。

 甲子園ボウルは、東西の大学王座決定戦として1947年(昭和22年)にスタート。関西学生リーグと関東学生リーグの王者が対決するボウルゲームとして、関西学院大学の6連覇、日本大学の5連覇、京都大学の戴冠、立命館大学、法政大学の初優勝など数々の歴史に残るドラマが演じられてきた。

 2009年に全日本大学選手権と拡大してからも、全国各連盟(北海道、東北、東海、北陸、中国、九州)のリーグ王者が、関東、関西の王者に挑戦する形で、東日本、西日本に分かれて出場校を決定してきたが、常に関東と関西のチームが出場権を手にしてきた。(過去には、関西の2位校、3位校も九州や中国の連盟を交えた代表決定トーナメントに出場するケースもあったが、西日本では、いずれも関西の大学が出場権を獲得。2022年度からは、東西の代表という区分をなくしたが、実質的には、東海連盟代表を東日本にくみいれて、東西に分かれて出場校を決定)

▼長く続く甲子園ボウルに『改革』 関西、関東対決が実現の可能性も

 そんな甲子園ボウルが、今年度から大きな変革を迎える。甲子園ボウルを目指す全日本大学選手権準決勝が一方的な試合になることが多かった事態を考慮して、3年間の限定的な試みとして、協会が改革に踏み切った。完全に東日本、西日本という区分を外して関東、関西のそれぞれのリーグ3位までのチームが直接全日本大学選手権に出場。今週末に行われる準々決勝から、夢舞台を目指して東西の大学による強豪対決がスタートする。結果、関西同士、関東同士の甲子園ボウルが実現する可能性も出てきた。

 関西大学・磯和雅敏監督が「リーグ3位までのチームに全日本大学選手権への出場権を与えられるので、甲子園ボウル出場の可能性はひろがったが、リーグ戦の戦い方はとても難しくなった」」と語ったように、リーグ戦で戦った相手と、もう一度甲子園をかけて相まみえる可能性が高いだけに、リーグ戦は、どこまで自分たちのもつ力をみせるか難しい判断に迫られた。

 なぜなら、アメリカンフットボールは「準備」のスポーツ。次の戦いを見据えて、相手の「準備」に対して、どこまで手の内を見せるかがポイントとなったからだ。

 実際、関西大学は開幕2戦目となった近畿大学戦でまさかの敗戦。それでも立命館大学に勝利して、近畿大学が最終戦で神戸大学に苦杯をなめたため、何とか3位で甲子園ボウルを目指す戦いへの出場権を手にした。

 その関西大学は、準々決勝で関東2位の早稲田大学と激突する。関西のライバルとの再戦を想定する前に、まずは春の試合では13対13で引き分けた関東の強豪との対決が待ち受けている。

 はたして、この10年間、関西学院大学の6連覇を含む甲子園ボウル9度優勝と関東の大学を圧倒している関西勢が勝ち抜いて、史上初の関西同士の対決が実現するのか?それとも、リーグを制覇した法政大学をはじめとする関東勢が意地をみせて甲子園にたどりつくのか?

 歴史の転換点となる第79回甲子園ボウル出場をかけた戦いから、眼が離せない。


▼アメリカンフットボール全日本大学選手権組み合せ(準々決勝以降)

〇準々決勝 
11月23日(土)
関西学院大学(関西2位) 対 慶應義塾大学(関東3位) 神戸ユニバー記念競技場 
早稲田大学(関東2位) 対 関西大学(関西3位) 味の素スタジアム

11月24日(日)
立命館大学(関西1位) 対 東北大学(東北) ユアテックスタジアム仙台
法政大学(関東1位) 対 中京大学(東海) 久留米陸上競技場

〇準決勝
11月30日(土)
法政大学×中京大学の勝者 対 関西学院大学×慶應義塾大学の勝者 スピアーズえどりくフィールド

12月1日(日)
立命館大学×東北大学の勝者 対 早稲田大学×関西大学の勝者 ヤンマースタジアム長居

〇決勝(甲子園ボウル)
12月15日(日) 阪神甲子園球場

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。