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セ・リーグMVPの菅野智之投手。メジャー移籍を表明していて、今後の動向が注目されています。

菅野投手といえば、これまで数々のタイトルを獲得してきた日本球界の顔ですが、去年までの3年は、かつての輝きから、かけ離れた成績でした。(21年:6勝、22年:10勝、23年:4勝)。35歳となった今年、大ベテランがどのように復活したのか、独占インタビューしました。

■「高い位置から投げ下ろすイメージ」フォームを改良

今まではピッチングフォームについて深く考えていなかった この記事の写真 菅野投手
「もちろん、復活と言ってもらえるのはうれしい。ある程度認めてくれたっていうイメージはあるので、そこも含めて復活というよりも、新しい自分を見つけられたかなと思っています」

菅野智之投手が、35歳にして見つけた「新しい自分」。一体今年、どんな変化があったのでしょうか?

菅野投手
「ピッチングフォームが大きい。正直、ピッチングフォームのことって考えたことってなくて。本当に感覚なんですけど、『足上げて、体重移動して腕振ったらそこにいくでしょ』っていうのが僕の感覚だった」

今までは深く考えずとも、精密機械のようにボールを正確にコントロールできていました。しかし、年齢とともに投げる際の感覚にズレが生まれ、昨シーズンは自己ワースト4勝に終わりました。

そこで決断したのが、フォームの改良です。

菅野投手
「これから長くやっていくためには、もう一度投球フォームを見直す。簡単に言うと『縦振り』というか、しっかり上からボールをつぶせる感覚に戻りました。投げる高さも、今までよりも10センチから15センチ上がっている。ボールの角度もつくので、そういった意味でも全然違うなっていう感じはします」 フォームの比較

今年のフォームを見てみます。高い位置から腕を振り下ろす投球フォームです。以前のフォームと比べてリリースポイントを高くしたことで、ピッチングにも良い影響が出たといいます。

狙った所にコントロールできたことで、ランナーを出してもピンチを未然に防ぐことができた 菅野投手
「高い位置から投げ下ろすイメージでいくと、最大限に上から力をぶつけられる。バッターに対して、球の軌道も違います。そこにボール行きそうだなとか。コントロールは今一番良いと思います。あと今年は、ダブルプレーの率を見てほしい。12球団の規定投球回を投げたピッチャーで一番とった自信ある。そこに投げたら、そこに飛ぶだろうなって思って投げています」

今シーズン、ランナー1塁でのダブルプレー率は12球団トップ。狙った所にコントロールできたことで、ランナーを出してもピンチを未然に防ぐことができていました。

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■ヒントを得たのは「YouTube」球種にも変化

■ヒントを得たのは「YouTube」球種にも変化

さらに、ある球種にも劇的な変化があったといいます。

ある球種にも、劇的な変化が 菅野投手
「フォークボールを自分で研究して、シーズン中もずっと試行錯誤していた。フォークボールが人生で一番良い状態なので、そこが大きいのかなと思います」

手にしたのは、人生で一番と語るフォークボール。今までとは違う1球を菅野投手は鮮明に覚えています。

「フォーク使える、つかんだ」と感じた試合 菅野投手
「あの1球で『フォーク使える、つかんだ』って思いましたね。東京ドームのベイスターズ戦」

7月14日、DeA戦の5回。ストライクの軌道から、鋭く落ちたフォークボールでした。

ヒントを得たのは、なんとYouTube 菅野投手
「自分の中でも落ちる原理が分かった。深く握って、いかに回転をかけないように投げようって考えていたんですけど。ある日、YouTubeだったりでフォークのことを研究していて。横の回転がないと落ちない」 今期のフォークの握り

ヒントを得たのは、なんとYouTube。2本の指ではさみ、人差し指のみ縫い目にかける握り。ポイントは、人差し指で引っかけて投げること。中指は添えるだけです。そうすることで生まれた横回転がフォークにより落差を与えたと菅野投手は語ります。

菅野投手
「びっくりしました。これだけ落ちる球って、無縁だと思っていたので、僕の中では。そこも含めて“新しい自分”を見つけられた」

35歳にして、新たに生まれ変わった菅野投手。来シーズンからはメジャーリーグでの活躍を目指します。

来季からはメジャーリーグでの活躍を目指す 菅野投手
「進化って言葉が正しいか分からないですけど、ここまで新しいピッチングスタイルを確立できると思ってなかったので。今後、自分にとって大きなプラスになるシーズンだった」

(「報道ステーション」2024年11月29日放送分より)

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