毎年12月に開かれる大リーグのウインターミーティングは、全30球団の監督やゼネラルマネージャー、それに選手の代理人などが集まり、来シーズンに向けた移籍交渉の山場と位置づけられています。
ことしはテキサス州ダラスのホテルで9日、日本時間の10日から4日間の日程で開かれる予定で、8日は球団関係者が次々と会場に入りました。
このオフの移籍市場の最大の注目はヤンキースで41本のホームランを打ったホアン・ソト選手で、26歳のスター選手に対してアメリカメディアは去年、ドジャースに移籍した大谷翔平選手の契約の10年総額7億ドルを超えて、プロスポーツ史上最高額の契約になる可能性もあると予想しています。
また、日本選手も高い関心を集めていて、中でも注目されているのが、ロッテからポスティングシステムでの大リーグ移籍を目指している23歳の佐々木投手です。
佐々木投手は25歳未満のため大リーグの労使協定によってマイナー契約でのスタートとなりますが、最速160キロを超えるストレートや鋭く落ちるスプリットは「世界で最も才能のあるピッチャーの1人」と評価されていて、各球団の激しい争奪戦が予想されています。
大リーグ機構のマンフレッドコミッショナーは、佐々木投手の契約は来年1月15日以降になる見通しを示している一方で、アメリカメディアはウインターミーティングの期間中にポスティングの申請手続きが行われ、佐々木投手と大リーグ球団との交渉が始まると伝えていて、その動向が注目されています。
また、巨人の菅野投手や、中日の小笠原慎之介投手、阪神の青柳晃洋投手、それに広島の九里亜蓮投手もこのオフの大リーグ移籍を目指しています。
佐々木朗希 米メディアの予想は
佐々木朗希投手の激しい争奪戦が予想されているのは、大リーグの労使協定によって契約金が制限されるため、比較的安い契約金で将来、ローテーションの軸を担うピッチャーを獲得できる可能性があるという背景があります。
8日の時点ではロッテから、ポスティングの申請がされていないため大リーグ球団との交渉は始まっていませんが、アメリカメディアは連日、佐々木投手の動向に関する特集記事を掲載していて、移籍先として
▽大谷翔平選手と山本由伸投手が所属するドジャースや
▽ダルビッシュ有投手と松井裕樹投手が所属するパドレスなどの名前が多く挙がっています。
アメリカの全国紙、USAトゥデーのボブ・ナイチンゲール記者はNHKの取材に対して「すべての球団が彼と契約したがっているが、現実的にはドジャースかパドレスだろう。球団と代理人は否定しているが、1年以上前からドジャースに移籍するという噂があった。パドレスは、同じ地区のライバルであるドジャースに対抗するためにも彼を欲しがるだろう」と、ドジャースを移籍先の最有力候補だと予想しました。
また、大リーグ機構などが運営する放送局「MLBネットワーク」のジョン・モロシ記者はドジャースとパドレス、ヤンキース、それにジャイアンツの4球団を候補に挙げ「個人的な予想だが、パドレスだと思う。ダルビッシュ投手との関係は佐々木投手にとってとても重要なものだ」と話していました。
そのうえで「山本投手は去年、大リーグでのプレー経験はなかったが、ピッチャーとして史上最高額の契約を結んだ。これは日本のピッチャーがいかに強力で、いかにみんなが次世代の日本のピッチャーを見たがっているかを表している」と述べ、日本の特にピッチャーの存在感が大リーグの移籍市場で高まっていると指摘しました。
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