12月3日からインドを舞台に行われていた、ハンドボールの女子アジア選手権大会で、女子日本代表(おりひめジャパン)が奮闘。12月10日に行われた決勝戦では、アジアのライバル韓国を大接戦の末に下して見事に優勝。20年ぶり2回目のアジアの頂点にたちました。

女子日本代表「おりひめジャパン」20年ぶり2回目のアジア制覇

 パリオリンピックの出場権を最後の最後で逃した女子日本代表にとっては、ロス五輪に向けての大事な第1歩を刻む今回のアジア選手権。日本代表は、国内最高峰リーグのリーグHや海外のクラブなどから国内外のトップ選手が集合して大会に臨みました。

 8チームが参加した今回の大会。日本代表は開催国インド、イラン、香港との4チーム総当たりによる予選ラウンドを3戦全勝の1位で突破すると、準決勝ではカザフサタンと対戦。前半こそ15対14と1点差の攻防となったものの、後半に突き放して30対23と快勝して決勝戦へ駒を進めました。

 決勝の相手はこちらも予選ラウンド、準決勝と無敗で勝ち上がってきた宿敵、韓国代表。長くアジアをリードしてきた韓国相手に、序盤からリードを許す苦しい展開となります。

 前半は9対12、3点のビハインドで折り返しました。それでも、後半に入ると一気に反撃、開始から中山佳穂選手、相澤菜月選手、佐々木春乃選手と大阪体育大学出身の3人の選手よる3連続ゴールで12対12の同点に追いつきます。

 その後は、一進一退、スピーディーな攻撃を仕掛けてくる韓国に対して、日本はタイトなディフェンスと、コートの幅を上手く使った攻撃で対抗、試合は、20対20の同点で残り10分の攻防に突入します。

 そして、両チームのディフェンスの強度が上がる終盤、先に抜け出したのが日本代表でした。金城ありさ選手が難しいシュートを決めて1点を勝ち越すと、速攻から中山選手が見事に決めて22対20、ついに2点のリードを奪います。さらにその後の韓国代表のPS(7mスロー)をPS要員として出場したGK榊真菜選手が見事にブロック、韓国代表の勢いを断ち切りました。この後、韓国代表も必死で食い下がりますが、最後まで日本代表は慌てませんでした。常にリードを奪った状態で確実に時間を進めていきます。

 そして残り時間30秒を切ったプレッシャーのかかる場面で相澤選手が、鮮やかにディフェンスをかわして25点目となる貴重なゴール。25対23と2点差をつけて勝負を決定づけました。

 最後は、粘る韓国を25対24で振り切って勝利。終盤疲れから足が止まった韓国代表に対して、最後まで運動量が落ちなかった日本代表、見事に宿敵を下して2004年の第10回大会以来、20年ぶり2回目のアジア選手権制覇です。

 アジアの頂点に立った女子日本代表(おりひめジャパン)、来シーズンはアジア王者として、2025年12月、ドイツ・オランダで行われる第27回女子世界選手権に挑みます。なお、ベストセブンに相澤菜月選手とPV(ピボット)として体を張ってチームを支え続けたグレイ クレアフランシス選手が選出されています。

ハンドボール女子日本代表(おりひめジャパン) 優勝メンバー(背番号・氏名・所属)

2  山口眞季(三重バイオレットアイリス)
4  初見実椰子(三重バイオレットアイリス)
5  金城ありさ(ブルーサクヤ鹿児島)
8  夏堀郁音(HC名古屋)
12 馬場敦子(北國ハニービー石川)
13 中山佳穂(BSV Sachsen Zwickau、ドイツ)
16 榊真菜(HC名古屋)
17 大松澤彩夏(アランマーレ富山)
23 相澤菜月(Thuringer HC、ドイツ)
28 中村歩夢(イズミメイプルレッズ広島)
29 阿久津祐子(熊本ビューストピンディーズ)
32 佐々木春乃(Borussia Dortmund、ドイツ)
37 井桁晴香(HC名古屋)
38 齊藤詩織(飛騨高山ブラックブルズ岐阜)
39 前田優 (熊本ビューストピンディーズ)
42 米澤綾美 (熊本ビューストピンディーズ)
52 吉留有紀 (北國ハニービー石川)
54 安藤かよこ (イズミメイプルレッズ広島) 
55 グレイ クレアフランシス(熊本ビューストピンディーズ)

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