『難民選手団』は、戦争や迫害などから逃れるため生まれた国や地域を離れて難民となったアスリートたちにオリンピック・パラリンピックへの参加の道を開こうと、2016年のリオデジャネイロ大会から結成されるようになりました。
IOCは2日、オンラインで会見を開きパリオリンピックに参加する『難民選手団』の選手を発表しました。
選ばれたのは、イランやシリアなどの中東のほかアフリカ出身の選手など、12競技の36人で、前回の東京大会より7人増えこれまでで最も多くなりました。
競技別の内訳は、▽陸上が7人、▽柔道が6人、▽テコンドーが5人、▽カヌーが4人、▽ボクシング、自転車、射撃、競泳、ウエイトリフティング、レスリングが2人ずつ、▽バドミントンとブレイキンが1人ずつとなっています。
バッハ会長は「この選手団は世界に1億人以上いる生まれ故郷を離れざるを得なかった難民などにとって希望の象徴となる」と述べました。
パリ大会で『難民選手団』の団長を務める、マソマ・アリザダさんは選手として参加した前回の東京大会の経験を踏まえ、「出身のアフガニスタンには困難がたくさんあったが選手団に選ばれたことでどんな夢も実現可能なのだと気付くことができた。パリ大会でも『難民選手団』は決して諦めないポジティブなイメージを示す」と話しました。
『難民選手団』は、大会直前にフランス国内で合宿を行うなどして本番に備えるということです。
『難民選手団』で出場 陸上女子選手 ドーピング違反が発覚
『難民選手団』をめぐっては、今月1日、IOCの難民基金から支援を受け3年前の東京オリンピックにも『難民選手団』として出場した陸上女子のアンジェリナ ナダイ・ロハリス選手にドーピング違反が発覚し、世界陸連の独立監視部門から暫定的な資格停止の処分を受けました。
これについて、IOCで各国のオリンピック委員会の連携などを管轄するジェームズ・マクラウド氏は会見で、「『難民選手団』の選手もすべての選手と同じようにルールにのっとって競技する責任が伴う。非常に残念なことだ。これまで同様、競技団体やドーピングの検査機関と緊密に連携していく」と話しました。
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