第76回春季関東地区高校野球大会群馬県予選(県高校野球連盟主催、朝日新聞前橋総局など後援)の決勝が4日、高崎城南球場であった。健大高崎が前橋商を接戦で制し、2年連続の優勝を決めた。3位決定戦では樹徳が高崎商大付を破った。健大高崎、前橋商、樹徳の上位3チームは18日から県内で開催される関東地区大会に出場する。

 四回裏、打席に立った健大高崎の白石楓真(ふうま)(3年)は緊張していた。三回表に前橋商に3点を奪われ、追いかける立場。「長打で一気にホームへかえせ」と、チームの期待を背負っていた。

 「でも、自分はそんなことができるバッターじゃない……。できたらツーベース、いや単打でもいい。とにかくつないでチームの役に立ちたい」。そう覚悟を決めて振り抜いた一打は、左越えの2点本塁打。公式戦では初めての本塁打だった。六回裏には決勝点につながる犠飛も放った。

 冬は週に2回ほど1日1千球を振り込んだ。少ない球数を集中して振る練習にも取り組み、試合に近い感覚を身につけてきた。努力が、大一番で実を結んだ。

 選抜高校野球大会の王者で強力選手がそろう健大高崎では、スタメンに入ること自体が容易ではない。「この試合で結果を出せなかったら簡単に抜かれちゃう」。そんな緊張感がチームの底力につながっている。

 「また結果を出してスタメンを勝ち取りたい。守備でもしっかりアピールできるようにしたい」。謙虚に、でもしっかりと前を見据えて語った。(中沢絢乃)

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