バレーボール男子日本代表の主将、石川祐希(28、アリアンツ・ミラノ/イタリア)が暮らすイタリア・ミラノの2LDKの自宅を取材した。基本的には自炊し、「絶対に携帯は寝室には持っていかない」など、バレーボール中心のこだわり抜いた私生活が明らかになった。

Q.(ヨガマットのようなものを指して)これはなんですか?

石川祐希:これはストレッチを毎日するのでストレッチするスペース。シャワーが終わった後とかじゃなくても腰とか痛めてたりしたのでちょっと時間がある時にエクサエイズをしたりしてました。

Q.練習の日のルーティンは?
石川:練習から帰ってきて、夜食事を作って食べて、超音波とかを1時間弱くらい両ひざにあてて、シャワーを浴びたあとにストレッチして寝るっていう感じですね。超音波をあてる時間も増えたり、やることは増えたりしている。時間は増えていく一方なので。こっち(体のケア)にかかる時間が多いので、なるべく料理する時間だったり余分な時間は減らしたいなと思ったりします。

Q.バレー以外の時間は?
石川:Netflixとかは見たりしますけどね。ストレッチをやりながら流したりとか、料理してるときに流したりとか、ご飯食べている時に流したりってことしかしないですね。(動画を見るだけの時間は)ないですね。

Q.それだけ余分な時間を使わないようにしてる?
石川:「ながら」で見れたりするんですけど、携帯を使う時って片手でいじっちゃうんで、その時は「時間もったいないな」「無駄にしてるな」って思ったりはしますけど。

Q. 携帯をいじっている時間も「もったいない」って思っちゃうんですね。
石川:もったいないというか・・・でもそれをまだやめられていないというか。なにかやるにしろ疲れちゃうというか、携帯とか触っている時間が唯一グダーッとする時間なので。その時間がもったいないなと思いますけど「たまには・・・」みたいな感じで許しちゃってるところもありますね。  

Q.SNSとか連絡は?
石川:連絡することはあまり多くないのでLINEはそんなに・・・少ないですね。友達(との連絡)もそんなにしないですけどね。必要最低限しかしないので基本的には。Tiktokとかインスタもそうですし。Xもちょっとくらいですかね。

Q.すごい徹底的にこだわりがある中で、携帯とかずっといじっちゃって時間を過ごすことってあまりないですか?
石川:少ないとは思いますけど、でも試合の後とか、帰ってきて「疲れたな」とか、そういったときはもう普通に携帯をいじって、1時間とか過ぎちゃうことはあります。次の日がオフなんで、まあいいかなと思いますけど。それでも携帯はベッドに、寝室には絶対持っていかないですね。

Q.それはなぜですか?
石川:持って行ったらまず、寝る前に携帯いじっちゃうし。もし何か連絡来たら、通知がきたりするんで。それが気になっちゃうのと、朝起きたら携帯を触ってしまう。目覚ましもかけたら、目覚ましを消して携帯いじっちゃって、それで10分とか触ってたら・・・朝って結構たくさん寝たいし、でも朝も何か食事を作ったりとかしないといけなくて、やることがたくさんある。その時間が減っちゃうので、5分とかでももったいないので朝は。なので、絶対に携帯は寝室には持って行かないです。それはもうこだわりというか絶対ですね。2、3年前ぐらいからです。

Q.それは睡眠が大事だからってことですね?
石川:寝る前に携帯をいじるのも良くないし。なので、暗くなってから携帯いじることもよくないし。アウェイのときは、無理なので寝る前とかいじっちゃうんですけど、家では絶対ないです。寝室に入って、布団をかぶって、別の電波のない目覚まし専用の携帯があるので、それで目覚ましだけセットして、すぐ電気を消して寝ますね。なので寝室に入ったらもう、3分くらいで寝ちゃったりとか。5分もあれば寝ちゃいます。

Q.中心はバレーボール?
石川:それはまちがいないですね。

Q.ルーティンは日本にいるときから変わってない?
石川:一人暮らしは日本ではしたことがないので。大学の時は寮だったし、大学終わってからもずっとこっちだし、代表の時はNTCとかで。1日オフだったら基本変わらないですね。

Q.1日オフでも出かけたりしない?
石川:あまりしないですね。たまにチームメイトと出かけたりしますけど、だいたい16時、17時くらいには帰ってきて家で食べてっていう感じが多いですね。よっぽどのことがないと、お酒とかも飲んだりしない。チームメイトの誕生日とか、お祝い事とかそういったときは飲んだりしますけど、チームメイトも僕がお酒飲まないことは知っているので、強くないことも知ってます。なので僕が「今日お酒飲もうかな」とか言ったら、「おぉぉぉぉ」みたいな感じにはなります(笑)

料理へのこだわり「同じものの方が時間もかからない」

Q.日本から持ってきているもの、こだわりは?
石川:基本的にこちらで手に入るので、生活する上で持ってきているものはゼロですね。治療器具とかそういったものは日本から持ってきてはいますけど。生活する上でなんでも手に入っちゃうのでミラノは。なので別に持ってくる必要はないなと思っています。炊飯器ももらって。僕がラティーナにいるときなので8年前くらい。(そこからずっと?)ずっと使ってますね。もうボロボロなのでそろそろ変え時かなと思ってますけど。

Q.作るもの基本的に毎日変わらないと、昔、言っていたが今も?
石川:野菜は変わらないですね。肉とかは毎日変わりますけど、ごはん、野菜は変わらずに一緒ですね。

Q. 同じものを食べてて飽きちゃうのかなと思うがそれよりも栄養を意識?
石川:そうですね。同じものの方が時間もかからないので。色々作ったりすると・・・時間が全然ないので。全部ひとりでやらないといけないですし、ケアもセルフケアも時間が長かったりするので。ずっと同じものでも全然問題ないし、時間も短縮できるし、それで全然栄養が摂れてないということもないので基本的には変わってないですね。

Q.体が資本だと思うので味よりもまず栄養?
石川:必要なものがしっかり摂れていればいいのかなと思いますし、もちろん外食とかチームメイトとご飯食べることはあるので、そういったときは外食もしますけど、試合前とか試合が近づいてくると基本、家です。

Q.冷蔵庫の中身を見せてもらっていいですか?
石川:必要なものしか入ってないですね。貯め買いするタイプじゃないので、大体2日か3日に1回、スーパーに行って買って、なくなったらまた行って買ってという感じです。(作り置きではなくて?)違いますね。

Q.栄養へのこだわり
石川:必要なものしかないので。基本水しか飲まないです。

Q.髙橋藍選手と対談したとき、カルボナーラは「俺の方がうまい」と言っていた。
石川:もう作らないです。最後に作ったのは3年前とか4年前とか。その時に割とうまくできたって話なだけであって。藍は頻繁に作ってるんじゃないですか。僕はYouTubeで見てその通り作っただけですね。それでうまくできたっていう話ですね。作り方さえわかればなんでも作れるというか、ただ真似すればいいだけなので、そういう感じです。

Q.初めて作る料理はYouTubeで見てそれ通りにやる?
石川:それ通りにやります。(自分でこだわって変えようとかではなく?)じゃなくてそれ通りにやります最初は。

Q.性格なんですかね?
石川:性格だと思いますよ。基本的にレシピ通りやれば失敗はしない。まずくなることはないので。ご飯の量もこれ(軽量器)で計ってるんですけど、新しく作るとなったら、わりと全部そろえてからやりますね。それで失敗したら時間の無駄になってしまうので、それを避けるために料理に関しては準備をしてからやります。その準備がめんどくさかったりするのであまり新しいものには挑戦しないし、最初に作る時は絶対時間がかかるので、その時間が無駄だなと思っちゃったりします。

「整っているときはちゃんとしてる」

机の上にはイタリア語の参考書があった。

Q.今でもやっぱりイタリア語・・・
石川:勉強しますよ。時間があると本を開きます。(やっぱりまだ足りない?)全然全然足りないですね、難しいので、使い方とか、時制とか、文法とか。まだ全然慣れてないし、インタビューとかで正しく喋りたいなとは思ってる。僕で言うと、外国人が日本語を喋ってるみたいな。それをなるべくなくしたいなとは思ってるんですけど、なかなか難しいです。

Q.多分日常生活で不自由ないし、チームメイトとコミュニケーションとるのも全然問題ないとは思うんですけど、それよりもっと・・・
石川:イタリア人っぽく喋りたいですね。

Q.(机の上が整理整頓されているのを見て)すごいぴったり置くんですね、ぴったり揃えるというか・・・

石川:結構そういうの気にしちゃいます。大体バラバラになってくると、「ちょっとストレス溜まってるのかな」とか、「ちょっと疲れてるのかな」となるので、ちゃんとしてるときはちゃんとしてる。(心が乱れてると?)ちょっと乱れがち、バラバラになりがちです。

Q.こういうきっかりやることで心も整うみたいな感じですか?
石川:これをやることで整うっていうのはあんまりないです。整ってるときはちゃんとしてるっていう感じです。(パラメーターみたいな?)そんな感じだと思います。

昨年のネーションズリーグでは国際大会46年ぶりとなるメダルを獲得し、16年ぶりに自力での五輪出場も決めたバレーボール男子日本代表。

石川:オリンピックでメダルを獲ることも全然不思議じゃないというか、非常に大きなチャンスだなっていうふうに僕は思っているので、ここで勝負をかけられるオリンピックにはなる。実際にネーションズリーグで銅メダルだったし、オリンピックの予選も通過したし、自分たちの実力でしっかり勝ち取ったものばかりなので、ここしか五輪メダルのチャンスはないだろうなと思います。

バレーボール女子日本代表にとって最後のパリ五輪切符をかけた戦いとなるネーションズリーグ。女子は5月16日に開幕、男子は22日に初戦を迎える。石川が主将を務める男子日本代表は五輪前哨戦となるネーションズリーグを戦ったのち、52年ぶりの五輪でのメダルへ本番に挑む。

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