前日に 床田寛樹 の力投で投手戦を制した広島カープ。連勝して借金完済へ―。5月8日も首位・阪神との一戦でした。

気温14℃と寒空の甲子園。新井貴浩 監督は、スタメンで2試合続けて4番に 小園海斗 をすえ、5番には 田村俊介 に代わって1軍昇格し、今シーズン初出場となる 末包昇大 、また 中村健人 をプロ入り初のファーストで起用します。

その打線が3回、さっそく機能します。昨シーズン、カープ戦で6勝を挙げている阪神の先発・大竹耕太郎 に対し、中村健人。放物線を描いた打球は、今シーズン初ヒットとなる2年ぶりのホームランに。天敵相手に先制に成功します。

一方、カープの先発は、5度目の登板で今シーズン初勝利を目指す 大瀬良大地 でしたが、先制直後の3回ウラ、同点タイムリーを許し、なおもノーアウト・1塁の場面。ここでビッグプレーが飛び出します。

サード強襲の当たりを小園がさばくと、セカンド・菊池涼介 が人間離れしたボディバランスで空中で正確な送球をしてダブルプレーに。阪神のチャンスを摘み取ります。

中根夕希 キャスター
「かっこいい。考えられないですね。これで正確に投げるっていうところが…。本当にすごい」

その後、立ち直った大瀬良に6回、記念すべき瞬間が訪れます。2アウトから打席に一発が怖い・佐藤輝明 を迎えて、空振り三振に。これが大瀬良にとってプロ入り通算1000奪三振となり、同い年の 堂林翔太 から記念のプレートを渡されます。

中根夕希 キャスター
「わたしも同い年です。おめでとうございます」

尻上がりの好投を受け、新井監督は7回、ツーアウト・3塁と勝ち越しのチャンスの場面でも大瀬良に代打を送らず、その右腕に試合を託します。

ベンチの期待に応えるべく、そのウラ、大瀬良は先頭を1球で抑えると、後続2人も抑え、3イニング連続の三者凡退。7回106球を投げ、1失点と試合をまとめます。

大瀬良大地 7回 球数106 被安打4 与四球2 失点1

そんな大瀬良の好投に打撃陣が奮い立ちます。8回、2アウト・2塁とし、ここで打席に立つのは、4番・小園。大瀬良も熱い視線を送る中、この一振り。セカンドのグラブをかすめ、打球はライトに。2試合連続の打点で4番の仕事を果たし、大瀬良に勝ち投手の権利をプレゼントします。

さらに、ここで終わらなかったカープ打線。続く5番・末包。高目の速球にしっかりコンタクト。ファームでの日々を糧に昇格早々、ほしかった打点を挙げます。

リードを2点に広げると、前日も好投した 島内颯太郎 が8回を無失点。9回はもちろん、守護神・栗林良吏 がゼロを刻み、ゲームセット。

大瀬良の今シーズン初勝利で首位・阪神に2連勝。カープは3位に浮上しました。(阪神 1-3 広島)

  ◇  ◇  ◇

青山高治 キャスター
ナイスゲームでした。

コメンテーター レイチェル・ニコルソン さん(翻訳者)
人間離れしたプレーが目立ちまして、どうなっているのって。マンガみたいな展開で。すばらしいです、カープ。

青山高治 キャスター
本当に飛んでいます。

中根夕希 キャスター
菊地選手って、いろんな華麗なプレーがありましたけど、まだありましたか!

青山高治 キャスター
まだ、あったんだっていう…。あと、大瀬良投手の熱投。1000奪三振。プロ157人目。

中根夕希 キャスター
新人王を獲ってからいいシーズンばかりではなかったと思いますけど、1軍でずっと投げ続けてきた結果だろうなと思います。

青山高治 キャスター
今シーズンもずっと、いいピッチングをしていても勝利がつかず、今回、今シーズン初勝利ってのも大きかったです。

中根夕希 キャスター
そうです。チーム全体で喜べますよね。

青山高治 キャスター
これで借金がなくなって5割復帰で、順位も3位に浮上、Aクラスに入ったのも気持ち的にいいですよね。

レイチェル・ニコルソン さん
たぶん、広島中のみなさんが「ああ、よかった」と、ほっとしていると思います。

青山高治 キャスター
(笑)いや、まだ、ちょっと早いですけど…。とりあえず5割復帰、3位でここから貯金生活に入っていけたらなって感じです。

中根夕希 キャスター
首位・阪神に2連勝というのが大きいです。

青山高治 キャスター
しかも、苦手だったピッチャーばっかりですから。そこから勝っているというのもね。

中根夕希 キャスター
そうです。勢いづきそうです、これから。

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