RBC「NEWS Link」が全力で中高生のスポーツを応援するシリーズ「全力部活」。今回は、6月の県高校総体で61年ぶりの優勝をめざす首里高校男子バレー部を紹介する。文武両道、限られた練習時間の中で悲願の県制覇をめざす選手たちの奮闘を追った。

「準優勝は、もういらない」

大学進学をめざし勉強に励む進学校、県立首里高校の3年生たち。

■男子生徒
――今は何の勉強をしている?
「漢検の勉強をしています。”けんがそうせい”って言って、犬、牙、相まみえるの相に、制するの制、と書く。全く意味の見当がつかない言葉が出てくるので難しいです」(※犬牙相制…国境が複雑に入り組んだ国同士が互いに牽制し合うさま)

■男子バレー部キャプテン
「(GWの勉強時間は)1日平均4時間以上していました。ちょっと頑張りました」

このメンバーは、「勉強よりも難しい」という難題に挑んでいる。

■男子生徒
「公式通りのプレーはないから」
「バレーボールは奥が深いので難しい」

首里高校男子バレー部は、春高バレー県予選では3年連続の準優勝、県総体でも2年連続の準優勝を果たしている。今年、1963年(昭和38年)以来61年ぶりの県総体優勝を目指す。
■首里高男子バレー部 長田悠暉キャプテン
「中学校の県選抜に入って、4人ぐらいいるんですけど同期が、その人たちと一緒に首里高に行って優勝しようと決めて、一緒に来た仲間たちとやっています」

U-18日本代表候補・﨑山と稲福が”Wエース”

ビーチバレー少年男子を国体3連覇に導いた浜川直洋監督が6年前に就任し、勉強とバレーボールの両立をめざす選手が集まるようになった首里。今年のチームの中心は「ダブルエース」だ。

去年の春高バレー県予選決勝。身長192センチ、当時1年生ながら存在感を放ったサイドアタッカー﨑山陽生(さきやま・ようせ)。現在の最高到達点は325センチ。中学時代は全国中学選抜に選出され国際大会を経験、現在もU-18の日本代表候補に選出されている。
■﨑山陽生
「不利な状況でも自分が決めてチームの流れを引き寄せるような選手になりたい」

そしてこの﨑山を上回る最高到達点327センチを誇るのが身長178センチのもう1人のエース、3年の稲福政亮(いなふく・せいすけ)。

■稲福政亮
「先輩たちもこれぐらいの身長の人たちが多かったけど、それでも高さを出して今まで上の舞台で戦っていたので、その姿を見ながらトレーニングして頑張っています」

平日の部活動時間は「1時間半」 無駄な時間は過ごせない

チーム一丸、悲願の県制覇をめざす首里高校。しかしこれまで、あと一歩のところで、県内の強豪校に優勝を奪われてきた。首里が乗り越えなければならない壁。それは、バレーボールをする練習時間。

長田悠暉キャプテン
「平日は1時間半ぐらい、でもそこまで全然できないので。準備も含めたらもっと短くなる」
――朝練は?
「朝練もないです。基本的にダメとされているので、できないです」

進学校の首里で許される部活動の時間は、平日は約1時間半。この短さを補うべく、練習は準備から部員みんなで手際よく、切れ間なく行われる。だが取材の日は学校が休み。いつもの倍の練習時間が確保できていた。この日の準備の様子にキャプテンは…

長田悠暉キャプテン
「きょうは全然遅いので…(そうなんだ!)」
――きょうは時間に余裕があるから?
「多分怠けているかも。そこは後で怒りますね、しっかり(笑)」

■浜川直洋監督
「高い志を持ってやらないと、ただやっているだけだと無駄だよ、無駄な時間を過ごすのは止めようと、常日頃から言っています。切り替えはすごい。部活、バレーをやるときの集中力は評価できるなと思います」

準優勝はもういらない。文武両道で培った集中力を研ぎ澄まし、首里高校の戦いが始まる。(取材:下地麗子)

【取材後記】
GWも部活動と受験勉強の日々だったいう首里高男子バレー部。首里高校では「女子バレー部」も強化が進んでいて、女子は5年前に56年ぶりの県制覇を果たし、今年も優勝候補筆頭となっています。県高校総体では進学校の奮闘にも注目してみてください。

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