円安が進行する中、訪日外国人による消費が過去最高を更新した。日本観光庁が発表した2026年上半期のデータによると、訪日外国人の免税売上高は4兆2000億円に達し、前年同期比35%増となった。1人当たりの平均購入額も18万円と、2019年のピーク時を上回る水準になっている。
消費パターンの変化
值得注意なのは、消費パターンの変化だ。かつての「爆買い」と呼ばれる大量の日用品購入から、高付加価値商品への消費転換が進んでいる。時計・宝飾品・高級バッグなどの高額商品が全体の40%を占め、中国や韓国からの観光客を中心に人気を集めている。
百貨店業界では、三越伊勢丹ホールディングスと髙島屋の上半期の免税売上高が、ともに過去最高を記録。特に三越伊勢丹の新宿店は、月間免税売上高が100億円を突破し、単一店舗として世界有数の高級品販売拠点となっている。
インバウンド経済への影響
訪日外国人消費の拡大は、日本経済に大きな追い風となっている。日生経済研究所の試算では、インバウンド消費は2026年の日本のGDPを0.8ポイント押し上げる効果があるとされる。宿泊・飲食・交通などの二次的な経済効果を含めると、総額は8兆円規模に達する見込みだ。
ただし、円安による輸入コスト上昇が国内消費を圧迫する一方で、訪日外国人消費がその一部を補填する構図は、経済構造の歪みを浮き彫りにしている。政府は観光立国戦略の一環として、訪日客の消費環境整備と併せて、地方分散型観光の推進を掲げている。
出典:日本観光庁 / 日生経済研究所
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