日本の伝統工芸がZ世代(1997~2012年生まれ)に絶大な人気を集めている。陶芸、漆芸、ガラス工芸などの体験教室がSNSで話題となり、予約が半年先まで埋まる人気店が続出している。
SNSで拡散する工芸ブーム
TikTokでは「#陶芸デート」が5億回以上の再生回数を記録。カップルや友人同士で電動ろくろを体験し、それぞれのオリジナル作品を作る動画が人気を博している。Instagramでは、有田焼や九谷焼の美しいデザインが「和モダン」として若者に支持されており、ハッシュタグ「#JapanCraft」は投稿数が前年比3倍に増加した。
東京・清澄白河にある陶芸工房「陶芸倶楽部」は、2023年に開業して以来、利用者が毎年50%以上増加。代表の山田健一さんは「若者が『ものづくり』の楽しさを再発見している。スマホの世界から離れて、手で土を触る感覚は、デジタル原生世代にとって新鮮な体験なんだと思います」と話す。
体験型観光の新トレンド
観光庁の調査によると、訪日外国人の間でも伝統工芸体験が人気上昇中。金沢の金箔貼り体験、京都の竹細工教室、沖縄の紅型染めなどが、外国人観光客の満足度トップ3にランクインした。
京都市は2026年4月から「職人インターンシップ」制度を開始。外国からの留学生が、陶芸家や染織家の工房に1か月間滞在し、本格的な技術を学ぶことができる。第1期の定員30名に対し、応募者は約500名に達した。
産業化への期待
伝統工芸の人気は、地方創生にも寄与している。石川県の輪島塗や佐賀県の有田焼など、後継者不足に悩む産地に若者が流入し始めた。経済産業省は「職人養成支援金」制度を拡充し、新規参入者に最大200万円の補助金を提供する予定だ。
「伝統は守るべき遺産ではなく、生き続ける文化である」と語るのは、人間国宝の漆芸家・山崎敏氏。彼はSNSで自身の制作過程を公開し、10万人以上のフォロワーを獲得している。「若い人たちの感性と技術が融合すれば、日本の工芸はもっと世界に羽ばたく」と期待を寄せる。
ソース:観光庁・経済産業省・毎日新聞
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