円相場が1ドル155円台まで下落し、33年ぶりの円安水準を更新した。観光業界は訪日外国人の増加で好景気を迎える一方、輸入依存度の高い企業や消費者は物価高に直面し、日本経済の二面性が浮き彫りになっている。
観光業の好況
円安を追い風に、訪日外国人旅行者数は2026年上半期で1,778万人と、前年同期比35%増を記録。政府の年間目標3,500万人達成が現実味を帯びてきた。特に韓国、台湾、米国からの旅行者が多く、東京・大阪・京都のホテルは高級クラスを中心に occupancy rate(稼働率)が90%を超える施設が相次いでいる。
百貨店業界も外国人向け販売で過去最高を更新。三越伊勢丹ホールディングスは、免税売上高が前年同期比45%増え、コスメや家電、伝統工芸品が人気だ。高島屋は外国人専用のラウンジを新設し、個人旅行客(FIT)の取り込みを強化している。
輸入企業の苦境
一方で、原材料を輸入に頼る製造業はコスト増に喘いでいる。石油精製業界では、原油の円建て価格が前年比20%上昇し、ガソリン価格は1リットル185円の高値圏を推移。食品業界では、小麦や牛肉の輸入コスト増加が価格転嫁され、消費者の家計を圧迫している。
帝国データバンクの調査では、円安の影響を「マイナス」と回答した企業が62%に達し、円安メリットを享受する企業との格差が拡大している。
政府の対応
財務省・日銀は為替介入の可能性に言及し、市場に警告を発しているが、日米金利差の縮小が進まない限り、円安傾向は続くとの見方が強い。市場では「1ドル160円」試す動きも警戒されている。
ソース:日経新聞・財務省
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