ソニーは16日、同社のイヤホン「LinkBuds(リンクバッズ)」が視覚障害者の歩行を支援するアプリ「Eye Navi(アイナビ)」に対応したと発表した。障害物の存在を障害物がある方向から聞こえるように自動音声が読み上げる。歩行に必要な情報に絞って提供することで快適に使用できるよう工夫した。
リンクバッズは2022年2月に発売した近距離無線通信(ブルートゥース)対応のイヤホン。通常なら耳を塞ぐ部分に穴が空いており、再生する音だけでなく周辺の音も聞こえる。普段使いに加えてランニングなどの場面で需要があるほか、視覚障害者からも支持されている。
アイナビは15年創業のスタートアップ、コンピュータサイエンス研究所(北九州市)が開発したアプリだ。スマートフォンのカメラが読み取る周辺情報と地図情報を組み合わせて障害物を検知し、道案内のアナウンスをする。ただ、読み上げる情報量が多く、利用者に負担となるケースがあった。
今回、アイナビは障害物や目的地などの距離に絞ってアナウンスする仕様にアップデートし、ソニーが立体音響技術を駆使して対応した。イヤホンに内蔵するセンサーで顔の向きを捉えて障害物などの方向を特定し、距離を把握する。
ソニーは障害の有無に関わらず誰もが使える製品の開発に力を入れている。他の同社製イヤホンでも順次対応することを検討している。
【関連記事】
- ・ソニー、白杖の振動で危険通知 視覚障害者向けに実験
- ・ワイヤレスイヤホン5年で4割高 「つけっ放し」需要で
- ・ソニー、穴あきイヤホン開発秘話 ユーザー価値観捉える
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。