残業時間の規制強化により運転手が不足する「2024年問題」などで路線バスが減便されている問題を巡り、千葉県は17日、県内の路線バスの運行状況に関する緊急調査の結果を発表した。昨年10月1日時点で約3万1900便あった運行本数が、今年4月16日時点で3万便に減ったことが分かった。
調査は4月16~30日、県内の高速バスを除く路線バス事業者全35社を対象に実施した。一部の事業者にはヒアリングも行った。
調査の結果、全県平均では減便率は6%だった。だが、一部の事業者は毎日新聞の取材に、休日の543便を約4割減の322便に減らしたと回答するなど、影響の大きい地域もあるとみられる。
減便の理由の8割が2024年問題が占めたが、通勤・通学の利用者が減ったことによる不採算路線の合理化なども挙がった。
各社が運転手の待遇や労働環境の改善、採用強化、二種免許取得支援などに取り組む一方、現状の人員の中で、通勤時間帯だけは減便を避けたり、他の営業所から運転手を融通したりするなど、やり繰りして「地域の足」の維持に努めている姿が浮かび上がった。
県の担当者は「市町村や事業者と意見交換しながら、県として何ができるかを考えていきたい」と話した。【柴田智弘】
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