【ソウル=松浦奈美】韓国サムスン電子は21日、半導体部門を統括する事業部長に全永鉉(ジョン・ヨンヒョン、63)氏が就任したと発表した。2021年末から同部門トップだった慶桂顕(キョン・ゲヒョン、61)氏は半導体事業を去り、全氏の後任として新規事業部門のトップに就任した。
サムスンは役員人事を年末に発表するのが恒例だ。慶氏は通常であれば25年春に任期を終えるとみられていた。同社は今回の人事について「半導体部門の危機を克服し、未来への競争力を確保するという会社の強い意志を示した」とコメントした。
サムスンの半導体部門の営業損益は、23年12月期に14兆8800億ウォン(約1兆7000億円)の赤字だった。半導体部門の赤字は15年ぶりで過去最大だった。24年1〜3月期は市況の改善を受け5四半期ぶりに黒字転換したものの、先端半導体の量産などで他社に後れを取っている。
有進投資証券の李承禹(イ・スンウ)リサーチセンター長は「サムスンの危機意識の表れであり、今は人事を刷新して社内の雰囲気を変える必要がある」と指摘した。
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