ストライキが続くスウェーデンのテスラ販売店(1日、ストックホルム市内)

【フランクフルト=林英樹】欧州自動車工業会(ACEA)が22日発表した4月の欧州主要31カ国の新車販売台数(乗用車)は、前年同月比12%増の108万台だった。3月は20カ月ぶりのマイナスだったが、再びプラスに転じた。一部の国での補助金削減から販売減に陥った電気自動車(EV)が14万4千台と14%増えた影響が大きかった。

2カ月連続でEV販売がマイナスだった最大市場のドイツは4月、EV購入補助金停止の影響が薄れ、2万9千台と前年同月並みの水準に戻した。フランスのEV販売は45%増の2万4千台、英国では11%増の2万2千台、EV普及で先行するノルウェーも35%増の1万台と大きく伸ばした。

車種別では、ハイブリッド車(HV)が29%増の31万8千台と好調を維持した。ドイツのほか、充電インフラ整備で遅れるイタリアやスペインで内燃機関車への回帰の動きがみられ、ガソリン車は38万7千台と5%増えた。プラグインハイブリッド車(PHV)は6%増の7万4千台だった。

メーカー別では独フォルクスワーゲン(VW)が14%増の30万台で首位。全体のシェアは27.8%で、前年同月より0.5ポイント上昇した。2位の欧州ステランティスは2%減の16万6千台、シェアは2.1ポイント低下し15.4%だった。仏ルノーはシェア10.1%で3位を守った。

労働協定の締結拒否をきっかけにスウェーデンを中心とした北欧で半年以上ストが続く米テスラは2%減の1万3千台だった。シェアは0.2ポイント低下の1.3%に下がった。

HV販売が好調なトヨタ自動車は42%増の8万4千台と大きく伸ばした。シェアは1.6ポイント上昇の7.8%で、4位の韓国・現代自動車(シェアは8.5%)の差を縮めた。他の日本勢では日産自動車が14%増の2万1千台、スズキは34%増の1万7千台、マツダも17%増の1万3千台だった。

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