山形県などでつくる作柄調査委員会は、全国収穫量の7〜8割を占める同県のサクランボについて、2024年産が1万2100トンになりそうだと発表した。平年(過去10年間のうち最大と最小を除いた8カ年の平均)より9%少ない。5段階の作柄評価で、下から2番目の「やや少ない」にあたる。

23年夏の高温の余波で、実がくっついて出荷の対象外となる「双子果」が多く発生している。開花期の高温乾燥で雌しべに花粉がつきにくかったことや、花粉を運ぶミツバチなどの活動が不十分な園地があったことも影響しているとみられる。

高品質品を増やすため、県は生産者に双子果や実が多すぎる枝の実を間引く摘果作業、着色管理、適期収穫などの指導を徹底する。

収穫の最盛期は「佐藤錦」が6月13〜17日ごろ、「紅秀峰」が同20〜25日ごろ。いずれも平年より5〜7日早くなる見通し。

山形県の吉村知事は「さまざまに工夫しながら、日本一のサクランボ県の地位をキープしていきたい」と話す(22日、県庁)

吉村美栄子知事は「県として地球温暖化への対応が必要になっている。サクランボの栽培適地のマップづくりを検討するなど、さまざまに工夫しながら日本一のサクランボ県の地位をキープしていきたい」と話している。

山形県のサクランボ収穫量は霜の被害があった21年に9160トンにとどまった。22年は1万2400トン、23年は1万3000トンに回復した。

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